― 八咫鏡よりも古く造られたと伝わる聖なる二つの鏡 ―
日本神話には「三種の神器(八咫鏡・草薙剣・八尺瓊勾玉)」という言葉がよく登場します。
しかし、それに先立って神々によって造られたとされる二つの鏡があります。
それが、
✨ 日像鏡(ひがたのかがみ)
✨ 日矛鏡(ひぼこのかがみ)
です。今回はこのうち、「**日矛鏡(ひぼこのかがみ)=國懸鏡」として伝わる鏡について、
- 誰が造ったのか
- どんな由緒・伝説なのか
をわかりやすく解説します。
🪞 日矛鏡とは何か?
日矛鏡とは、
八咫鏡(やたのかがみ)よりも前に造られたとされる神聖な鏡です。
現在は、和歌山県和歌山市にある 國懸神宮(くにかかすじんぐう) の 御神体(ごしんたい=神様の宿るもの) とされています。
ちなみに日矛鏡と対になるのが 日像鏡(ひがたのかがみ) で、こちらは 同じく日前神宮に祀られています。
🛠️ 造ったのは誰か?
日矛鏡を含む二つの古い鏡を造ったのは、
➡ 石凝姥命(いしこりどめのみこと)
という神様です。
石凝姥命ってどんな神?
石凝姥命は、鏡や金属を作る技術にたけた神様として日本神話に登場します。
鏡を造る神として、後に八咫鏡を造った神としても名前が出てきます。
🪞 どういう由緒・伝説なの?
日矛鏡が登場する伝承は、『日本書紀』の
➡ 天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れた話
にあります。
① 天照大神が岩戸に隠れた
天照大神が岩戸(天の岩戸)に隠れたために、世界が闇に包まれました。
その時、神々は世界を明るくしようと集まります。
② 石凝姥命に鏡づくりが命じられた
神々は、
🔹 日像鏡(ひがたのかがみ)
🔹 日矛鏡(ひぼこのかがみ)
という二つの鏡を造るよう、
石凝姥命(いしこりどめのみこと) に命じました。
ここで「日像鏡」は太陽の姿を映す鏡、「日矛鏡」は太陽の象徴そのものとも考えられる鏡とされています。
③ 日像鏡・日矛鏡 → 八咫鏡へ
二つの鏡が出来上がった後、さらに後に続いて 八咫鏡(やたのかがみ) が造られたとされています。
つまり、
📌 日像鏡・日矛鏡 → 八咫鏡 → 三種の神器へ
という順序で出来たと伝えられています。
🏯 現在の祀られ方
二つの鏡は現在、それぞれ次のように祀られています。
🔹 日像鏡
→ 和歌山県 和歌山市の 日前神宮 の・御神体(神様の依り代)として祀られている
🔹 日矛鏡(=國懸鏡)
→ 同じく 和歌山市の 國懸神宮 の・御神体として祀られている
この二社は 一つの境内に並んでいることから、「日前宮(にちぜんぐう)」という総称でも親しまれています。
🪞 まとめ:日矛鏡とは?
✔ 造ったのは 鏡づくりの神・石凝姥命(いしこりどめのみこと)
✔ 神話の由緒は 天照大神が岩戸に隠れた時の光を呼び戻すため
✔ 日像鏡とセット で、八咫鏡よりも先に造られたと伝わる鏡
✔ 現在は「國懸神宮」で祀られている
🪞 ひとこと補足:「國懸鏡」という名前について
日矛鏡は、神社では 「國懸鏡(くにかかすのかがみ)」 と呼ばれることがあります。
これは、
➡ 「国の平和や神意が宿る鏡」という意味の呼び名
とも受け取れます。
✨ 終わりに
日矛鏡(國懸鏡)は、
神話の中で光を取り戻すためにまず造られた鏡 とされ、
八咫鏡へと続く象徴的な位置を持つ神宝です。
目に見える実物が確認されたわけではありませんが、
今も和歌山の神社で大切に祀られ、
日本神話の光の物語を語り続けています。


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