お子さまの健やかな成長を願う伝統行事「七五三」。多くのご家庭が神社で参拝しますが、「なぜ神社で?」と改めて聞かれると、答えられる方は意外に少ないかもしれません。
ここでは、七五三の由来や神社で参拝する理由、現代的な意味を、これからお参りするご家庭向けにわかりやすくまとめます。
■ 七五三は“子どもの通過儀礼”として生まれた
七五三は、平安時代から続く「成長の節目を祝う行事」がルーツです。昔は医療が発達しておらず、幼い子どもが無事に成長することは決して当たり前ではありませんでした。
そのため、以下の節目を“神様に報告し、加護を願う儀礼”として行うようになりました。
- 3歳(髪置き):髪を伸ばし始める
- 5歳(袴着):男の子が初めて袴を着る
- 7歳(帯解き):女の子が大人の帯を結び始める
これらの節目は「無事にここまで育ちました」という感謝を表す大切な日だったのです。
■ なぜ神社で七五三をするの?
① 日本では“子どもの命は神様からの授かりもの”と考えられてきた
古来、日本では子どもは神様から授かった尊い存在とされ、成長の節目ごとに神様へ報告し、加護を願う慣習がありました。
そのため、「子どもの健やかな成長」を祈る七五三は、自然と神社での参拝が中心となっていきました。
② 氏神様へのご挨拶という意味
地域を守る神様=氏神様に「ここまで大きくなりました」という感謝を伝え、「これからもよろしくお願いします」とお願いする意味があります。
特に七五三は、その子自身が初めて“自分として神様にお参りする”最初の儀式と言われることもあります。
③ 子どもの“厄払い”の意味
七五三の年齢は「厄年」と重なるともされており、昔は災いから守るためのお祓いとしての意味が強い行事でした。
神社でのご祈祷は「子どもを災厄から守る」という大切な役割を担っています。
■ 現代の七五三:感謝と願いを伝える“家族の節目”
現代では医療も発達し、昔ほど子どもの生存率が低いわけではありません。
それでも七五三が続いているのは、単なる“記念撮影の日”ではなく、以下の意味があるからです。
- 無事に成長してくれたことへの感謝
- これからの健やかな成長への願い
- 家族が集まり、節目を祝う大切な時間
- 子どもが自分の成長を意識する機会
七五三参りは、伝統行事でありながら、家族の絆を深めるライフイベントとしても大きな価値があります。
■ 参拝時のポイント
- 氏神様またはゆかりのある神社へ
- 神社では本殿でのご祈祷を受けると、正式に七五三の成長祈願ができる
- 混雑を避けるなら10月下旬〜11月中旬の平日がおすすめ
- 子どもが楽しめるよう、無理のないスケジュールを
■ まとめ
七五三参りを神社で行う理由は、
「神様に感謝し、これからの成長を祈るため」
という日本人の根本的な祈りの心にあります。
写真を撮るだけの日ではなく、家族でこれまでの成長をゆっくり振り返り、これからの未来を願う——
そんな温かな一日になることでしょう。


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