【神様図鑑】八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)–神々の知恵袋とされる神話の神

日本神話の中でも“知恵”と“発想力”の象徴として語られる八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)
天照大御神の岩戸隠れの場面では、八百万の神々の知恵袋として中心的役割を果たし、日本神話における“ブレーン神”と言える存在です。

本記事では、八意思兼命の神格、神話での活躍、祀る神社、信仰のご利益などをわかりやすく整理してご紹介します。


■ 八意思兼命とは

八意思兼命は、高天原で数多くの神々に知恵を授け、難題を解決へ導く、思索・知恵・発明の神
特に「八意思兼」という名前には、

  • 八(や)=多数
  • 思(おもい)=考える
  • 兼(かねる)=併せ持つ

という意味が含まれ、

「多くの思慮を兼ね備えた神」
と解釈されています。

天照大御神を生んだ伊邪那美命の“嘔吐物”から生まれたと記される珍しい出自を持ちますが、それに反して非常に高い地位と重要な役割を担う神でもあります。


■ 主な神話での活躍

八意思兼命は、日本神話の重要場面で、“知恵を必要とする局面”に必ず登場します。

● 天岩戸開きの立役者

天照大御神が天岩戸に隠れ、世界が闇に包まれたとき──
八百万の神々は困り果てますが、その場の指揮を執ったのが八意思兼命。

岩戸から天照大御神を呼び戻すための戦略を立てたのはこの神で、

  • アメノウズメに舞をさせる
  • 鶏を鳴かせる
  • 八咫鏡を用意する
  • 天照大神の興味を引く仕掛けを作る

これらすべてが八意思兼命の発案と言われます。

つまり、

天岩戸神話=八意思兼命の知恵の舞台
と言えるのです。

● 天孫降臨にも随行

邇邇芸命が地上へ降りる際にも同行し、
“国を治めるための知恵”を授けたと伝わります。


■ ご利益

八意思兼命は、知恵を司る日本最高峰の神とも評されます。

● 主なご利益

  • 学業成就
  • 受験合格
  • 問題解決
  • 発想力向上
  • 企画力・アイデア力
  • 技術・芸術の向上
  • 仕事の判断力・交渉力
  • 心の整理・決断力

受験生はもちろん、クリエイター、企画職、研究者、経営者など、
“頭を使う仕事”全般に強いご利益があると信じられています。


■ 八意思兼命を祀る主な神社

● 天岩戸神社(宮崎県高千穂町)

天岩戸神話の舞台。西本宮・東本宮ともに八意思兼命を祀ります。

● 思金神社(東京都渋谷区)

ビジネス街にある“知恵の神様”。企業経営者の参拝も多い隠れた名社。

● 小野神社(東京都多摩市・府中市)

関東総鎮守格の古社。八意思兼命の別名「小野大神」とも関連。

● 諏訪大社(長野県)

諏訪大神の配祀神として祀られることがあり、技術・工業の守護神としての一面が強調される地域もあります。


■ 八意思兼命の性質・象徴

八意思兼命の神格を一言でまとめると、

“日本神話の知恵の総本山”

さらに、以下のような象徴性があります。

  • 策士でありながら裏方に徹する
  • 神々の統率役(参謀)
  • 調和と平和へ導く思考力
  • 発明・創造の源泉

アメノウズメの舞や鏡の使用など「仕掛け」を作ることから、
クリエイティブ分野の象徴としても重宝されます。


■ まとめ

八意思兼命は、日本神話の中でも特に“頭脳”を担う存在で、
天照大御神を救い、世を光へと導いた功績を持つ 知恵の神です。

  • 知恵
  • 判断力
  • 発想力
  • 学問
  • 企画力
  • 問題解決

こうした力を求める人にとって、もっとも頼りになる神様と言えるでしょう。

受験対策、仕事の企画、人生の方向性に迷ったときなど、
八意思兼命を祀る神社へ参拝してみると、
心が整理され、道が開けるかもしれません。

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