【神様図鑑】国之常立神（くにのとこたちのかみ）｜国土創造と大地の神・封印された神の真実とは？

**国之常立神（くにのとこたちのかみ）**は、日本神話の中で「国土創造」に関わる最初期の神として登場します。
名前の通り「国（くに）＝日本」「常立（とこたち）＝恒久に立ち続ける」を意味し、
日本という国土の基盤そのものを神格化した存在です。

しかし、『古事記』や『日本書紀』では登場してすぐに“隠れてしまう”謎多き神でもあり、
一部では「封印された神」としてスピリチュアルな解釈もされてきました。

◆ 基本情報｜国之常立神とは？

『古事記』では、天地がまだ混沌としていたとき、
まず高天原に造化三神（天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神）が現れたあと、
はじめて**「地」に関わる神として国之常立神が出現**します。

しかし、神話の記述によれば――

「この神、独神（ひとりがみ）として成り坐して、身を隠したまふ。」

つまり、具体的な神話エピソードを持たず、すぐに姿を隠したとされます。

この「隠れる」という記述が、後世の一部信仰において「封印された神」として解釈される要因となりました。

国之常立神のご神徳は、「国土」「基盤」「大地」といった根源的なエネルギーに由来します。

国之常立神は、古代では神祇信仰の対象でしたが、
中世以降には「忌み神」「封印神」として神道や陰陽道、密教の中で特別視されるようになりました。

特に『艮（うしとら）の金神（こんじん）』や『日月神示』などに登場する
「国常立尊（くにとこたちのみこと）」は、封印を解かれることで世界を大転換へ導く“救世神”とされることもあります。

これは正史とは異なる霊的・神秘的な文脈ですが、
国之常立神には「秩序の再構築」や「立て直し」の象徴としての信仰が根強くあります。

国之常立神を単独で祀る神社は少ないものの、以下のような社で信仰されています。

神社名	所在地	特徴
比沼麻奈為神社（ひぬままないじんじゃ）	島根県出雲市	『古事記』の神代巻にも登場。国之常立神を祀る稀少な古社。
富士浅間神社の奥宮信仰	静岡県富士山山頂	地の霊を司る神として、国之常立神の名が見られる地域もあり。
個人信仰・神道系新宗教	各地	霊的指導者により中核神として祀られることもある。

「常立」は、「永遠に立ち続ける」「根を張り動かぬ存在」という意味があります。
これはまさに、地球・大地・国家の“根本”を守る神の名にふさわしいものです。

国之常立神は、日本神話における“はじめての地の神”であり、
その神格には大地そのものを敬い、神聖視する古代人の精神性が宿っています。

神話では目立たない存在かもしれませんが、
「土台があるからこそ、他の神々や人々が活動できる」
まさに“静かなる偉大さ”をもった神様と言えるでしょう。

不安定な時代にこそ、
国之常立神の揺るがぬエネルギーが、あなたの心と暮らしに安らぎを与えてくれるかもしれません。