【神様図鑑】応神天皇(おうじんてんのう)誉田別命(ほんだわけのみこと)|八幡神として祀られる軍神・文化の守護神

応神天皇(おうじんてんのう)は、日本の第15代天皇として歴史に登場する一方で、
その死後、**八幡神(はちまんしん)**として神格化され、全国の八幡宮に祀られる日本でも屈指の人気と影響力をもつ神様です。

「武の神」「文の神」「産業の守護神」など、多面的なご神徳を持ち、
とくに武士からの崇敬が篤かったことでも知られています。


◆ 基本情報|応神天皇とは?

項目内容
神名(神格化後)八幡神・誉田別命(ほんだわけのみこと)
実在時代古墳時代(在位:西暦270年頃~310年頃とされる)
系譜第14代仲哀天皇の子、母は神功皇后(じんぐうこうごう)
ご神徳武運長久・国家安泰・学業成就・商売繁盛・子育て安産

◆ 神としての名前:「誉田別命(ほんだわけのみこと)」

応神天皇が神として祀られるとき、多くの場合は「誉田別命(ほんだわけのみこと)」の名が使われます。
この名は『古事記』『日本書紀』にも記されており、「誉れ高き田を持つ王子」という意味があります。

そのため、農業や産業の守り神としての信仰も根強くあります。


◆ 八幡神とは?応神天皇の神格化

応神天皇はその死後、「八幡大神(やはたのおおかみ/はちまんしん)」という神格で信仰されるようになります。
最初に八幡神として祀られたのは、大分県宇佐市の宇佐神宮で、奈良時代から朝廷・武家からの崇敬が深まりました。

鎌倉時代には源頼朝や足利氏、徳川家など、武家政権の守護神として広く信仰され、
その後、全国に2万社以上の八幡宮が広まりました。


◆ ご神徳と信仰

ご神徳内容
武運長久武士や自衛官、警察関係者からの信仰が篤い
国家安泰朝廷や幕府から国家守護神として尊崇
学業成就菅原道真と並び、学問の神とされる地域も
安産・子育て神功皇后との母子神信仰によるご利益
商売繁盛農業・流通・ものづくりの守り神としても信仰される

◆ 応神天皇(八幡神)を祀る主な神社

神社名所在地特徴
宇佐神宮大分県宇佐市全国八幡宮の総本社。八幡大神=応神天皇を主祭神とする。
石清水八幡宮京都府八幡市皇室と深い縁を持ち、国家の守護神として崇敬された。
鶴岡八幡宮神奈川県鎌倉市源頼朝が建立。鎌倉幕府の守護神として有名。
熱田神宮(上知我麻神社)愛知県名古屋市境内社に応神天皇を祀る社があり、名古屋の地でも信仰が見られる。

◆ 母・神功皇后との神話的関係

応神天皇は、その母である神功皇后とともに祀られることも多く、
母子神信仰の象徴ともいえる存在です。

神功皇后が朝鮮半島への遠征(いわゆる「三韓征伐」)から戻った後、
応神天皇を無事出産したという伝承から、安産・子授けの神としても知られるようになりました。


◆ 豆知識|八幡神の「八」はなぜ「8」?

「八幡」の「八(や)」は、「多くの・広がる」という意味を持つ古語表現。
「八幡神」は“多くの守護を司る神”という意味も込められており、
武・学・産業など幅広い分野にご利益があるとされます。


◆ まとめ|日本の歴史と信仰に根ざす“万能の守護神”

応神天皇は、単なる歴史上の天皇ではなく、
武運・産業・国家の守護神として八幡神へと昇華され、
現代に至るまで日本最多クラスの神社で祀られる神様となっています。

地元の八幡宮を訪れるとき、そこにはきっと、応神天皇の静かな守護と
日本の歴史の重みが息づいていることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました