【神様図鑑】熱田神宮の主祭神 八劔大神とは?~草薙剣と日本神話の深い絆~

愛知県名古屋市にある「熱田神宮(あつたじんぐう)」は、年間700万人以上が参拝する東海地方屈指の神社。そのご祭神として最も重要な存在が「八劔大神(やつるぎのおおかみ)」です。

この記事では、八劔大神とはどんな神様なのか?また、なぜ熱田の地に祀られているのかを、日本神話や歴史のエピソードを交えてご紹介します。


八劔大神とは?

八劔大神は、**「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」**という霊剣をご神体とする神霊であり、**日本神話に登場する三種の神器のひとつ「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」**に由来しています。

「八劔(やつるぎ)」という名は、「八つの剣」や「多くの剣」の意味をもち、剣に宿る神霊の総称的な性格を持っていますが、熱田神宮では、特に草薙剣を神格化した存在として崇敬されています。


草薙剣とスサノオの神話

草薙剣は、**素戔嗚尊(スサノオノミコト)がヤマタノオロチを退治した際、その尾から出てきた神剣です。元は「天叢雲剣」と呼ばれていましたが、のちに倭姫命(やまとひめのみこと)を通じて第12代景行天皇の皇子・日本武尊(やまとたけるのみこと)**のもとへ授けられました。

日本武尊はこの剣を用いて数々の敵を打ち破り、特に東国平定の際には、火攻めに遭った時にこの剣で草を薙ぎ払い、火を制したことから「草薙剣」という名が生まれたと伝えられています。


なぜ草薙剣が熱田に?

日本武尊は東国遠征ののち、尾張国(現在の愛知県)に滞在中に亡くなります。妃の宮簀媛命(みやすひめのみこと)は、尊の遺志を継ぎ、草薙剣を祀るためにこの熱田の地に神殿を建てました。

これが現在の熱田神宮の起源とされており、以来、1900年以上にわたり草薙剣(八劔大神)を祀る聖地として崇敬され続けています。


八劔大神を祀る意味とご利益

八劔大神は「剣」の神霊として、武運長久、厄除け、勝負運、災難除けなどのご利益があるとされます。かつては武士たちからの崇敬が厚く、戦国時代には織田信長が熱田神宮に戦勝祈願を行ったことも有名です。

現代でも、企業経営者やスポーツ選手、受験生など、「勝負に挑む人々」からの信仰を集めています。


おわりに

熱田神宮にお参りする際は、単なるパワースポットとしてだけでなく、日本神話と深くつながる草薙剣=八劔大神の歴史を感じながら歩くと、その荘厳な雰囲気がより深く心に響いてくるでしょう。

名古屋を訪れた際は、ぜひ八劔大神のご神徳にふれてみてください。

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