【神様図鑑】金山毘売神（かなやまびめのかみ）

**金山毘売神（かなやまびめのかみ）**は、
鉱山・金属・鍛冶を司る女神であり、
金属文化の発展を陰で支えてきた存在です。

その名に「金山（かなやま）」を冠し、火や金属を扱う仕事に携わる人々や、
女性の身体に関する信仰とも結びついてきました。

◆ 基本情報｜金山毘売神とは？

金山毘売神は『古事記』において、
伊邪那美命（いざなみのみこと）が火之迦具土神（ひのかぐつちのかみ）を産んだ際に、
その火傷の苦しみの中から生まれた神の一柱とされています。

このとき、同時に生まれた神が金山毘古神で、
両者は対になる存在とされ、火と金属の神格ペアとして信仰されてきました。

金山毘売神は、古代より金属加工や火を扱う職人の守護神として信仰されてきた一方で、
「火を通じて生まれた神」という性質から、女性の体や出産の守護神としての信仰もあります。

ご神徳	内容
鉱山・金属守護	鉄、銅、銀など金属の採掘や精錬を守る
鍛冶・火の安全	刀鍛冶や鋳物師などの火を扱う職業の守護
火難除け	火事・火傷・災厄除けの神として信仰
安産・婦人病平癒	火を連想させる「女性の苦しみ」に寄り添う神としても信仰あり

金山毘売神は、現代でも金属加工、工業、鍛冶職人をはじめ、
出産祈願、婦人病平癒、火難除けなどを願う人々に広く信仰されています。

また、川崎市の「かなまら祭」では、生命力・繁栄・火と鉄の力を象徴する祭事として、
国内外から多くの参拝者が訪れています。

金山毘売神は、金属文化と深く関わるだけでなく、
「火」をきっかけに生まれたことから、
女性の身体や命の営みに寄り添う神様としても信仰されてきました。