【神社めぐり】三河国一之宮 ― 砥鹿神社(とがじんじゃ)


■ 東三河の総鎮守、悠久の歴史をもつ社

愛知県豊川市に鎮座する「砥鹿神社(とがじんじゃ)」は、古くから**三河国一之宮(みかわのくに いちのみや)**として厚い信仰を集めてきた神社です。
「豊川稲荷」と並んで豊川市を代表する聖地であり、地元では「とがさま」と親しみを込めて呼ばれています。

主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)
出雲大社の御祭神・大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一神であり、国土経営・縁結び・商売繁盛・厄除けなど、あらゆる願いを聞き届けてくれる“福徳の神”として知られています。


■ 由緒と歴史

砥鹿神社の創建は古代にさかのぼります。
社伝によると、今から約1300年前、三河国の開拓の祖神として大己貴命を祀ったのが始まりと伝えられています。

古くは本宮山(ほんぐうさん/標高789m)の山頂に鎮座し、
山そのものがご神体とされる「山岳信仰」の聖地でした。
のちに、里宮(さとみや)として現在の地に社殿が建てられ、
**山上の「奥宮(おくみや)」と、ふもとの「里宮」**の二つの御社で信仰を集めています。

『延喜式神名帳』にもその名を連ねる式内社で、
平安時代から三河国の筆頭神として朝廷からも篤く崇敬されました。

戦国時代には徳川家康公が戦勝祈願を行ったことでも知られ、
家康は勝利の礼として神領を寄進したと伝えられています。


■ 境内の見どころ

  • 拝殿・本殿
     朱色の社殿が印象的で、近代的な造りながらも厳かな雰囲気を保っています。春には桜が咲き誇り、花見の名所としても人気です。
  • 大鳥居(県下最大級)
     参道入口にそびえる高さ20mを超える大鳥居は、まさに砥鹿神社のシンボル。三河地方を代表する壮観な景観を誇ります。
  • 奥宮(本宮山頂上)
     里宮から車で約40分ほど登った本宮山の頂上には、「奥宮(おくみや)」が鎮座。
     標高789mの山頂から三河湾や遠州灘まで一望できる絶景スポットでもあります。
     奥宮では自然崇拝の原点に触れられる神秘的な空気が漂っています。
  • 御神木「杉の大木」
     境内にそびえる巨木は、樹齢数百年とされる御神木。
     幹に触れると心が落ち着き、生命力を感じると評判です。

■ ご利益

  • 商売繁盛
  • 縁結び
  • 厄除け
  • 交通安全
  • 五穀豊穣
  • 健康祈願

大己貴命は“国づくりの神”であり、人と人との縁を結ぶ神でもあります。
そのため、家内安全や仕事運、良縁祈願など、幅広いご利益を求めて参拝する人が絶えません。


■ 年中行事

  • 例大祭(5月3日~5日)
     三河地方最大級の神事。神輿や奉納行列、雅楽が行われ、地元の人々で賑わいます。
  • 初詣
     毎年30万人以上の参拝者が訪れ、愛知県東部では最大規模の初詣スポットとして知られています。

■ アクセス情報

  • 所在地:愛知県豊川市一宮町西垣内2
  • アクセス
     ・JR飯田線「三河一宮駅」から徒歩約8分
     ・東名高速道路「豊川IC」より車で約5分
  • 駐車場:あり(無料・大型バス可)

■ まとめ

砥鹿神社は、三河地方の“心のふるさと”ともいえる古社です。
山頂の奥宮では自然の神聖さを、里宮では人々の暮らしを見守る温かな神の気配を感じられます。

豊川稲荷の参拝とあわせて訪れれば、商売繁盛と縁結びのご利益をダブルで授かる開運ルートにも。
清らかな空気と穏やかな時間に包まれる、まさに“心を洗う神社”です。

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