伊勢神宮 内宮別宮群の中で、月讀宮と共に鎮座しているのが 「伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)」 です。
月讀尊の根源にあたる父神を祀る別宮であり、日本の神話の始源を象徴する、とても重要な意味を持つ社です。
◆御祭神
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
天地万物の基礎となる数々の神々を産み出した父神。
天照大御神・月讀尊・須佐之男命の父として知られ、日本神話において「国づくりの根源」とする重要な存在です。
この伊佐奈岐宮は、月讀宮の境内に横並びで祀られており、伊弉冉尊を祀る伊佐奈弥宮とも並列しています。
親子関係・神の系譜を“構造として参拝できる” とても珍しい神域でもあります。
◆由緒と意味
伊佐奈岐宮は、月讀宮と一体的に古くから信仰されてきた別宮で、延喜式にも記載される由緒ある社です。
伊勢神宮内宮においては、天照大御神だけでなく、その根源神である伊弉諾尊まで敬いを持って拝することで、太陽・月・夜・国土・神世の循環を包括的に捉える信仰の体系を形作ってきました。
神話・祭祀・国家思想が一つに繋がる“象徴的空間”と言えます。
◆ご利益
伊弉諾尊の御神徳は、根源の創造・生成に関わる性質が強く、以下のようなご利益が特に信仰されています。
- 物事を始める力・創造力
- 家庭・家族守護
- 子孫繁栄
- 生命力・気力の回復
- 根本から整える開運
「はじまりに力を与える神」
という言い方が最もしっくり来ます。
◆参拝のポイント
伊佐奈岐宮は森に包まれたとても静かな空間で、時間の流れがふっと変わるような感覚を味わえる場所です。
月讀宮・月讀荒御魂宮・伊佐奈弥宮(伊弉冉尊)と合わせて参拝することで、神話の構造そのものを空間で体験することができます。
伊勢参拝では「太陽(天照)」だけでなく
“根源の父神” に向き合うことで、心の基盤を整える深さが増します。
伊勢神宮へ行かれる際は、ぜひこの伊佐奈岐宮にも足を運び、日本の神話のはじまりの息吹を感じてみてください。


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