【神社めぐり】伊勢神宮 内宮別宮「月讀宮」 〜月の神を祀る静謐な聖域〜

伊勢神宮 内宮の別宮の中でも、静かで神秘的な雰囲気を感じられる場所が 「月讀宮(つきよみのみや)」 です。
宇治橋から少し離れた場所に鎮座しており、参拝者が比較的落ち着いてゆっくりと神域を味わえるスポットとして人気があります。

◆御祭神

  • 月讀尊(つきよみのみこと)

天照大御神の弟神であり、「月」を司る神様。
昼を司る太陽の神である天照大御神とは対を成し、昼と夜、陰と陽、調和と循環を象徴する存在とされています。

境内には月讀尊の荒御魂(荒魂)・和御魂(和魂)
そして月讀尊の父母である 伊弉諾尊伊弉冉尊 を祀る四宮が並列する構造となっており、月の神の御神徳を立体的に表現している点も非常に興味深い場所です。

◆由緒・歴史について

月讀宮の創建は古く、延喜式にも記載される由緒ある別宮。
伊勢参宮においては、太陽・昼の主神である天照大御神だけでなく、夜を司る月の神を深く敬い、万物の循環と調和を祈る場所として位置づけられていました。

「月を読む」という名の通り、月の満ち欠けは農耕、潮流、時間暦など古代生活の基準ともなり、自然界の摂理を知る基盤でした。
その循環リズムの象徴としても、月讀尊は非常に重要な神とされています。

◆ご利益

月讀尊は 調整・整える力 に関わるご利益が注目されています。

  • 心身のバランス回復
  • 冷静な判断力
  • 物事の調和・安定
  • 人間関係の調整
  • 流れを整えタイミングを掴む
  • 夜の安らぎ・癒し

天照大御神(太陽)と対照的に、
「内面を整え、巡りを調え、自然な流れの中で成果へ繋げていく」
といった面に寄り添う神様とも言えるでしょう。

◆参拝の見どころポイント

月讀宮の境内は、樹々に包まれた静かな空間で、風や鳥の音が特に印象的です。
日中の賑わいのある内宮境内とはまた違う“深夜の静寂”のような空気感が漂います。

四つの宮が横並びに鎮座している景観は伊勢でも珍しく、月讀尊とその御魂、そしてその根源となる伊弉諾尊・伊弉冉尊まで一度に参拝するという特別感も味わえます。

伊勢神宮参拝の際は、荒祭宮とはまた異なる「静かに整える」性質の月讀宮へも、ぜひ足を運んでみてください。
月に照らされた導きが、あなたの次の一歩を優しく整えてくれるかもしれません。

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