伊勢神宮の内宮別宮には、月の神・月讀尊を祀る「月讀宮」のすぐ隣に、もう一つ知る人ぞ知る存在があります。
それが 「月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)」 です。
◆御祭神
- 月讀尊 荒御魂(あらみたま)
「月讀宮」は月讀尊の穏やかで調和的な力(和御魂)を中心とした神格を祀っていますが、こちらの月讀荒御魂宮では、より“積極的に動かし、働きかける側面”である荒御魂を祀っています。
◆神社の由緒と背景
伊勢神宮では、天照大御神や月讀尊のような主要神について「和御魂」と「荒御魂」を分けて祀る形がしばしば見られます。
これは古代より、神の働きは穏やかな守りの力と、現実を強く動かしていく動的な力の二面性で理解されてきた名残だと言えます。
月讀荒御魂宮は、月讀宮と並列で祀られ、月の神の“攻めの側面”を象徴することで、より立体的に月讀尊の神威を顕しています。
◆ご利益
月讀尊の荒御魂は、静か・調和・整える側面だけでなく
- 勝ちに行く時の判断力
- チャンスを逃さない決断力や瞬発力
- タイミングを掴む力
- 対人・交渉の突破
といった、《タイミング・運気・局面を動かす力》に関わると考えられています。
静かに整える「月讀宮」に対し
ここは“動かして結果を引き寄せる”タイプのご神力 と言えるでしょう。
◆参拝ポイント
月讀宮のすぐ隣にあるため、セットで参拝するのが基本です。
月の神様の「静」から「動」まで、両側の御魂をしっかりと拝する流れは、伊勢参拝の中でも非常に象徴的な儀式的構造とも言えます。
人知れず静かな森の中で、ふっと空気の密度が変わる瞬間のような場所。
夜の月光が動くように、目に見えない“運気の転換点”を感じられる社です。
伊勢に行かれる際には、ぜひ月讀宮と共に「月讀荒御魂宮」も参拝し、人生における月のリズムと循環、その力動までしっかりと感じてみてください。


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