【神社めぐり】千葉県一宮町|玉前神社(たまさきじんじゃ)~東国開拓を見守る女神、玉依姫命を祀る上総一之宮~

◆はじめに

千葉県長生郡一宮町に鎮座する「玉前神社(たまさきじんじゃ)」は、古くから**上総国一之宮(かずさのくに いちのみや)**として知られる由緒正しき古社です。
“関東最古級の神社”のひとつともいわれ、全国各地にある一之宮の中でも特に格式が高く、女性や縁結び、開運のご利益を求める参拝者が絶えません。

また、**上総国の「一宮町」**という地名は、この玉前神社に由来しており、地域の歴史と信仰を象徴する存在です。


◆神社の概要

  • 名称:玉前神社(たまさきじんじゃ)
  • 鎮座地:千葉県長生郡一宮町一宮3048
  • 社格:旧国幣中社・上総国一之宮・延喜式内社
  • 御祭神:玉依姫命(たまよりひめのみこと)
  • 創建:不詳(神代の時代と伝わる)

◆御祭神・玉依姫命とは

主祭神の**玉依姫命(たまよりひめのみこと)**は、日本神話に登場する美しき神であり、神武天皇の母神として知られます。
つまり、玉前神社は「初代天皇の母を祀る神社」として、日本の始まりに深く関わる神社なのです。

玉依姫命は「魂を依り合わせる(たまより)」という名の通り、
人と人、心と心をつなぐ女神であり、縁結び・安産・子宝・海上安全・開運のご利益があるとされています。

また、「月の満ち欠け」や「潮の満ち引き」に象徴される女性的な生命力・再生力を司る神でもあります。


◆玉前神社の歴史

創建の年代は定かではありませんが、『延喜式神名帳』(平安時代・10世紀)に「玉前神社」と記されており、すでに千年以上の歴史を有することがわかります。

古代には上総国の国府(現在の市原市周辺)に近く、国の守護神として朝廷からも厚い崇敬を受けました。
源頼朝や徳川家康など、武家の信仰も篤く、特に家康は上総・下総・安房の「三国一宮」として玉前神社を重んじたと伝えられています。


◆ご利益

玉前神社は、「女神の神社」として特に女性からの信仰が厚く、次のようなご利益で知られます。

  • 💞 縁結び・良縁成就
  • 🤰 安産・子宝祈願
  • 💰 開運・商売繁盛
  • 🌊 海上安全・交通安全
  • 🌙 心身浄化・再生

さらに、玉依姫命が「水」と「月」を司る神であることから、月のエネルギーを受けて心身を浄化し、運気を整える神社としても注目されています。


◆見どころ

◇一之宮の風格漂う本殿

本殿は江戸時代後期の建立で、千葉県の重要文化財に指定されています。
檜皮葺の屋根と美しい彫刻が印象的で、上総国一之宮にふさわしい荘厳な雰囲気を漂わせています。

◇「はだしの道」~願いを込めて裸足で歩く~

境内には、**「はだしの道」**と呼ばれる参道があり、玉砂利の上を裸足で歩くことで、地のエネルギーを感じ、心身を清めるという体験ができます。
この風習は「地に足をつけて生きる」「大地の力を取り込む」という古代信仰に由来しています。

◇「月のパワースポット」

玉前神社は、冬至の日に太陽が鳥居の正面から昇り、富士山の方向へ沈むという「太陽の道(レイライン)」上に位置しています。
伊勢神宮・富士山・寒川神社・出雲大社などもこのライン上にあり、日本屈指のエネルギースポットとして知られます。

◇御朱印とお守り

御朱印は上品な筆致で「上総国一之宮」と記され、女性らしい優美さが漂います。
また、「月守」や「美守(うつくしまもり)」など、月や女性を象徴するデザインのお守りも人気です。


◆年中行事

  • 例大祭(9月13日):平安時代から続く伝統の祭。神輿渡御が行われ、一宮町全体が華やぎます。
  • 浜降祭(7月):神輿が九十九里浜へと向かい、海上安全と五穀豊穣を祈願する神事。
  • 月詣(つきもうで):満月の日に行う特別な参拝。女性のリズムと月の力を調えるといわれます。

◆アクセス情報

  • 所在地:千葉県長生郡一宮町一宮3048
  • アクセス
    JR外房線「上総一ノ宮駅」から徒歩約8分
    九十九里有料道路「一宮IC」から車で約10分
  • 駐車場:あり(無料)

◆まとめ

玉前神社は、上総国の守護神として古代から人々に信仰されてきた歴史ある神社であり、
“月の神”“女性の守護神”として今も多くの人々を惹きつけています。

「縁を結ぶ」「命をつなぐ」「運を呼ぶ」――玉依姫命の優しさと力強さに触れることで、
訪れる人の心が静かに満たされていくのを感じることでしょう。

海と月と大地のエネルギーに包まれるこの聖地で、ぜひあなたも心の浄化と新たなご縁を願ってみてください。

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