今回紹介するのは、高知県高知市一宮に鎮座する土佐神社。
土佐の国の一之宮として地元からも信仰の篤い神社です。
今回のお話は、一言主大神がこの土佐という土地に流されていたというお話です。
実は、この土佐という土地は中央政権から遠く離れていたことから流刑地とされていた過去があり、あの道鏡の弟や源頼朝の弟・希義なども高知に流罪となってます。
では張り切って解説していきましょう(∩´∀`)∩
住所 :〒781-8131 高知県高知市一宮しなね2丁目16−1
電話 :0888451096
社務所 :9:00~16:00
公式HP:https://tosajinja.com/
Wiki :土佐神社 – Wikipedia
■御祭神:味鋤高彦根神、一言主大神
味鋤高彦根神(あじすきたかひこね)
土佐神社の主祭神は賀茂氏の祖とされる神の味鋤高彦根神です。
味鋤高彦根神は大国主命と多紀理毘売命の御子神で、妹神として下照比売がいます。
農業や産業の守護、そしてその武勇から武神としての性格も持ちます。
賀茂氏の祖として賀茂氏と関わりが深いことで、関係する神社等で祀られています。
一言主大神(ひとことぬしのおおかみ)
一言主大神はその名の通り「一言で願いを叶える」と信じられてきた神で、古代から政治権力との結びつきが非常に強い神格とされています。
役行者との関りがある神様として知られています。
また同じく高知県にある鳴無神社では一言主大神を主祭神として祀り、阿遅須枳高日子根神を一言主大神の同一神としています。
■由緒と歴史
社伝によれば創建は大変古く、古代よりこの地の中心的な神社として位置づけられてきました。国司が着任するとまず参向したと記録にも残されており、土佐国の政治と信仰の中心地でした。
土佐の一宮としての格は特に中世以降より明確になり、戦国期には長宗我部元親も崇敬を深めています。
土佐国を統一し、一国規模の統治を実現した元親にとって、土佐神社は「国家経営の守護神」のような位置にあったともいえます。
■境内の雰囲気
土佐神社の社殿は土佐造という、独特の建築様式が見られます。
跨鳥居と呼ばれる特徴的な鳥居をくぐると、長い参道の先に鮮やかな社殿が姿を見せます。
神社の定型的なフォーマットとは少し違う、土佐ローカルな文化が深く反映されている点が魅力のひとつです。
■不思議な話・伝承
土佐に流刑され、後に奈良に祀られた一言主大神
都から土佐へ流される
主祭神の一言主は、雄略天皇と葛城山での逸話で有名な神様です。
しかし、その逸話は古事記と日本書紀に若干の違いがあり、またその後に平安初期に編纂された『続日本紀』では、
一事代主が天皇と同じ獲物を狙い争い、そのことに激怒した雄略天皇によって
一言主は土佐へ流された。(雄略天皇4年(460年)の大晦日)
となっています。
また「釈日本紀」の内容から、高知に流された一言主大神が当初は賀茂の地に祀られたとあり、その最も有力な場所が、土佐の宮島と言われる鳴無神社(おとなしじんじゃ)と言われています。
鳴無神社については別記事でまとめているのでそちらをご覧ください。
一言主大神が土佐へ
一言主大神が都から流され、上陸した場所とされているのが、鳴無神社とされています。
しかし一度は鳴無神社で祀られた一言主大神でしたが
「この地は意に沿わぬところがあり、石を取って投げ、その石の落ちた土地に鎮まった。」として、鳴無神社から石を投げ、その投げた地に御静まりになりました。
それが今回ご紹介している土佐神社となります。
ちなみに土佐神社境内に祀られる礫石(つぶていし)がその時一言主大神が投げた石だとされています。
賀茂氏により再び奈良の地へ
その後一言主は『続日本紀』によれば、奈良時代に賀茂氏の奏上により、再び葛城に祀られたとされており。
それが現在も鎮座する葛城一言主神社と言われています。
しかし奈良に祀られてもなお一言主の和魂(にぎみたま)は土佐にあるとされて、その後も一言主神は土佐の人々の信仰を集めることとなったそうです。
一言だけで願いを叶える
土佐神社でよく語られる話に、神が「一言」だけで願いを叶えるという信仰があります。
一言主神ゆえの由来ですが、これが土佐の人々に長く根付いているのは面白い点です。
願いごとを欲張りすぎない、最も実現したい一点に集中するという信仰哲学が裏にあるとも言われています。
また、味鋤高彦根神は大国主命の神話に深く関わり、系譜的には出雲系との繋がりも色濃い神です。
土佐は古代より海路を通じて出雲文化が影響を与えた場所であり、それを裏付ける神社とも言えるでしょう。
■まとめ
土佐神社は「土佐」という地域そのものの歴史と神話の交差点に位置しています。
土佐国一宮として、古代から現代まで一直線に信仰が続く神社であり、その根底には「一言」の強さと、土地と文化と武と信仰が密接に混ざり合った独特の世界観があります。
高知を訪れる際にはぜひ参拝しておきたい一社です。

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