石川県金沢市の中心部に位置する 尾山神社 は、加賀藩主・前田家の祖である 前田利家公と、その正室・まつ(芳春院) をお祀りする神社です。
歴史・文化・建築美がひとつに凝縮された、金沢を代表する観光スポットであり、地元の人々からの信仰も厚い神社です。
本記事では、尾山神社の歴史、見どころ、御祭神の人物像、参拝のポイントを詳しく解説します。
■ 尾山神社とは?
尾山神社は、1873(明治6)年に創建された比較的新しい神社です。
しかし、その背景には戦国・江戸と続く 前田家の歴史 が深く関わっています。
主祭神は、
- 前田利家公(まえだ としいえ)
- 芳春院(ほうしゅんいん/まつ)
という夫婦神で、夫婦円満・家内安全・勝負運の御利益で知られています。
■ 尾山神社の歴史
● 1600 年代〜
前田利家は加賀百万石の基礎を築いた戦国武将で、豊臣秀吉・織田信長に仕えた名将。
その死後、金沢城内に「利家公を祀る廟」が長らく置かれていました。
● 明治6年(1873)
政府の廃藩置県後、旧前田家家臣たちが中心となり、
金沢城三の丸跡 に尾山神社を創建。
● 明治8年
現在の 神門(しんもん) が完成。
日本と西洋、中国の文化が融合した独特のデザインで、国の重要文化財 に指定されています。
尾山神社は、近代の「武将顕彰」の流れの中で生まれた神社の代表とも言えます。
■ 主祭神:前田利家と芳春院(まつ)
● 前田利家(1538–1599)
- 信長の親衛隊「赤母衣衆」の筆頭
- 果敢な武勇と忠誠心で知られる
- 秀吉政権下では五大老に列し、天下の行方を担った存在
- 加賀百万石の基盤を築いた名将
利家公は「豪胆で面倒見が良い」性格だったと伝えられ、
地元では「殿様」として今も愛されています。
● 芳春院(まつ)
- 利家の正室でNHK大河ドラマ「利家とまつ」でも有名
- 夫を支えた内助の功の象徴
- 淀殿や家康とも深い交流を持った聡明な女性
夫婦そろっての御祭神という点が尾山神社の大きな特徴です。
■ 尾山神社の見どころ
◆ ① 国重要文化財「神門」
尾山神社の象徴ともいえる神門は、
和・漢・洋の三様式が融合した 和洋折衷の名建築。
特に最上階の ステンドグラス が有名で、
金沢の夜に美しく輝きます。
ここがポイント
- 江戸後期~明治初期の移行期を象徴する建築
- 元々は金沢港の灯台としても使う計画があった
- フォトスポットとして大人気
◆ ② 前田利家公像
境内には立派な 利家公の騎馬像 が立ち、
戦国武将としての威厳と力強さを感じさせます。
◆ ③ 心字池(しんじいけ)
「心」という字の形の池で、
日本庭園の伝統を感じられる癒しのスポット。
四季折々の美しさが楽しめます。
◆ ④ 神苑・庭園
金沢らしい趣のある景観で、
春は桜、秋は紅葉がとても綺麗です。
◆ ⑤ 前田家にまつわる史料展示(宝物館)
- 利家公の甲冑
- 前田家ゆかりの品々
歴史ファン必見の資料が数多く展示されています。
■ 尾山神社のご利益
- 夫婦円満(利家とまつを祀る神社ならでは)
- 家内安全
- 勝負運/武運長久
- 出世運
- 良縁成就
武将神と夫婦神が合わさるため、
「人生の基盤を整えたい時」や
「家族の幸せを祈る」参拝にもおすすめです。
■ 御朱印と授与品
- 尾山神社の御朱印は、神門の意匠をあしらったデザインが人気
- お守りも“夫婦円満”“勝運守”“縁結び”などバリエーション豊富
■ アクセス
- 住所:石川県金沢市尾山町11-1
- 金沢駅からバスで約10分
- 兼六園・金沢城公園から徒歩圏内で、観光ルートに組み込みやすい立地
■ まとめ:金沢の歴史・文化を象徴する神社
尾山神社は、
- 前田利家とまつという人気の御祭神
- 日本でも珍しい和洋折衷の神門
- 金沢の文化と武家の歴史を体感できるスポット
として、非常に魅力的な神社です。
金沢観光のスタート地点としても最適 なので、
ぜひ足を運び、加賀百万石の歴史に触れてみてください。


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