静岡県熱海市。
温泉地として全国に知られるこの地に、観光の賑わいとは一線を画す深い時間の層を感じさせる神社がある。
それが**來宮神社(きのみやじんじゃ)**である。
樹齢二千年を超えると伝えられる御神木・大楠。
「來宮」という不思議な社名。
そして、時・生命・循環を司る神の存在。
來宮神社は単なるパワースポットではない。
そこには、日本人が古来より抱いてきた**「生きるとは何か」「時とは何か」**という根源的な問いが静かに息づいている。
本記事では、来宮神社の由緒・祭神・境内・信仰の本質を、丁寧に解説していく。
住所 :〒413-0034 静岡県熱海市西山町43−1
電話 :0557822241
社務所 :9:00~17:00
公式HP:http://www.kinomiya.or.jp/
Wiki :来宮神社 – Wikipedia
主祭神:日本武尊、五十猛命、大己貴命
社格 :旧村社、別表神社
創建 :(伝)和銅3年(710年)
本殿 :流造

來宮神社の基本情報

御由緒


境内社
來宮弁財天(きのみやべんざいてん)


來宮総社稲荷神社(きのみやそうじゃいなりじんじゃ)


三峰神社(みつみねじんじゃ)


大楠社

境内のみどころ
御神木・大楠 ― 二千年の時を刻む生命 ※国指定天然記念物

御由緒

圧倒的存在感
來宮神社最大の見どころは、
境内中央にそびえる御神木・大楠である。
- 樹齢:2,000年以上(伝承)
- 幹周:約24メートル
- 高さ:約26メートル
全国屈指の巨樹であり、本州一位の巨樹と言われている(※全国2位)
見る者を一瞬で沈黙させる圧倒的な生命感を放つ。
大楠に宿る信仰
古来より、この大楠には次のような信仰が伝えられてきた。
- 一周すると寿命が一年延びる
- 心願成就・延命長寿
- 病気平癒・再生の象徴
これは迷信ではなく、
木の成長=時間の積層=生命の連続
という日本的自然観の表れである。
人の一生を遥かに超える時間を生きる木の前に立つとき、
人は自らの生を相対化し、静かな畏敬の念を抱く。
拝殿・本殿
朱を基調とした社殿は、
森の緑と調和しながら、明るく開かれた印象を与える。
「祈りを拒まない」
來宮神社の空気には、そんな包容力がある。
参道と杜
参道は決して長くないが、一歩ごとに外界の喧騒から切り離されていく感覚がある。
ここでは「急がない」ことが何よりの作法である。
來宮神社のご利益
来宮神社は、次のようなご利益で知られる。
- 延命長寿
- 健康祈願
- 病気平癒
- 心願成就
- 人生再生・再出発
- 商売繁盛
特に、人生の節目や立て直しの時に参拝する人が多いのが特徴である。
來宮神社が現代人に響く理由
來宮神社の本質は、
「何かを手に入れる」場所ではない。
- 立ち止まる
- 時間を感じる
- 生きていることを思い出す
そのための神社である。
情報と速度に満ちた現代社会において、
二千年を生きる木の前に立つ体験は、
何よりも雄弁に「生の意味」を語りかけてくる。
まとめ ― 神が「来る」場所で、時に還る
來宮神社は、
- 神が来臨した聖地
- 木と時間の神を祀る社
- 人生の再生を静かに支える場所
である。
熱海という観光地の奥に隠された、
日本人の精神文化の原点。
もしこの地を訪れるなら、
お願いごとをする前に、
まず御神木の前で、深く一礼してみてほしい。
そこから、参拝はすでに始まっている。

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