【神社めぐり】枚岡神社(大阪府東大阪市)〜河内国一之宮・春日大社の元宮〜

■ 河内の国を見守る古社

大阪府東大阪市に鎮座する**枚岡神社(ひらおかじんじゃ)**は、
古くは「河内国一之宮」として崇敬を集めた格式高い神社です。

創建は**神武天皇即位前の時代(紀元前660年頃)**と伝えられ、
まさに「神代から続く神社」といえる存在。

奈良の春日大社の御祭神を勧請する際、
その**元宮(もとみや)**となったことから、
「元春日(もとかすが)」としても知られています。


■ 御祭神とご神徳

主祭神は次の四柱です。

  • 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
     → 言霊・祝詞の神、学問・文筆・政治の守護神。
  • 比売神(ひめのかみ)
     → 天児屋根命の后神。家庭円満・縁結びの神。
  • 経津主命(ふつぬしのみこと)
     → 武勇・勝運・厄除けの神。
  • 武甕槌命(たけみかづちのみこと)
     → 雷・剣の神。武神として勇猛果敢。

この四柱は、のちに奈良の春日大社へ祀られた神々と同じであり、
まさに「春日信仰発祥の地」として特別な位置を占めています。


■ 由緒と歴史 〜春日信仰の源流〜

『日本書紀』によれば、神武天皇が大和平定の際にこの地を通過し、
天児屋根命の神徳に感謝して社を建てたのが始まりとされています。

奈良時代になると、藤原氏が氏神としてこの神を崇敬し、
奈良に春日大社を創建する際に、枚岡神社から御神霊を勧請しました。

そのため、**枚岡神社は「春日大社の元宮」**と呼ばれ、
今も春日大社と深い縁で結ばれています。


■ 伝統行事「お笑い神事」

枚岡神社を語る上で欠かせないのが、
毎年12月23日に行われるユニークな神事——
**「お笑い神事」**です。

これは「笑う門には福来る」の語源ともいわれる神事で、
神職・参拝者がともに「わっはっはっ!」と笑い、
一年の厄を払い、福を呼び込む行事です。

古くは「神々の前で笑いにより心を和ませる」ことを目的とし、
今では全国から多くの参拝者が訪れる人気行事となっています。


■ 境内と自然の調和

境内は生駒山の麓に広がり、自然豊かな空気に包まれています。
特に「枚岡梅林」は有名で、約500本の梅が咲き誇る春の景色は見事。
また、社殿背後にそびえる**神津嶽(かみつだけ)**は古代祭祀の地とされ、
今も「神聖な山」として大切に守られています。


■ アクセス情報

  • 所在地:大阪府東大阪市出雲井町7番16号
  • アクセス:近鉄奈良線「枚岡駅」下車すぐ
  • 駐車場:あり(無料)

■ まとめ 〜笑顔と調和の聖地〜

枚岡神社は、ただ古いだけではなく、
「笑い」を通して人々の心を明るく照らす神社です。

その歴史は日本最古級、由緒は春日大社の源流。
古代から続く神々の息吹と、現代にも息づく笑いの文化が、
ここ枚岡の杜に共存しています。

訪れれば自然と笑顔がこぼれ、心が軽くなる——
それが「枚岡神社」の最大の魅力です。

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