鳥取県鳥取市に鎮座する**白兎神社(はくとじんじゃ)**は、日本神話「因幡の白兎」の舞台として全国的に知られる神社です。大国主命(おおくにぬしのみこと)と八上比売(やがみひめ)を結びつけた白兎の伝承から、“縁結び・恋愛成就”のご利益で広く信仰を集めています。神話ゆかりの地として、訪れると物語の世界にそのまま入り込んだような感覚を味わえる見どころ満載の神社です。
■ 白兎神社のご祭神
主祭神:白兎神(はくとがみ)
白兎神とは、神話に登場する“因幡の白兎そのもの”です。古代から「皮膚病を治す神」「医療の神」「縁を結ぶ神」として信仰されてきました。
■ 神話「因幡の白兎」と白兎神社
この地には、古事記に記される有名な神話が伝わります。
● ワニ(サメ)をだまして海を渡る白兎
隠岐の島から因幡国へ渡ろうとした白兎は、ワニ(サメ)たちに「仲間の数を数えたい」と嘘をつき、並ばせてその上を渡ろうとします。しかし嘘がばれて皮を剥がれてしまい、泣いて困り果てていたところに、八十神の命令で意地悪をされた白兎はさらに傷を悪化させてしまいます。
● 大国主命による救い
最後に通りかかった大国主命が「真水で身体を洗い、蒲(がま)の穂の花粉をまぶすとよい」と優しく教え、白兎は見事に回復。その姿を見た八上比売は、大国主命に心惹かれるようになります。
この物語から、白兎は
「縁結びの仲介者」
として崇められています。
■ 白兎神社の見どころ
◆ ① 白兎の像と縁結びスポット
境内には、可愛らしい“白兎の石像”が点在。特に、参道の両脇に並ぶ「ピョンピョンうさぎ」像は写真スポットとして人気です。
◆ ② 縁結びの「結び石」
社務所で授与される「結び石」は、境内の石うさぎの足元に乗せて願いを込めるという、白兎神社ならではの祈願方法。恋愛成就を願う参拝者が全国から訪れます。
◆ ③ 白兎海岸と白兎の丘
神社の向かいには、日本神話ゆかりの白兎海岸が広がり、美しい弓ヶ浜が続きます。海岸近くの「白兎の丘」には、因幡の白兎像や景色を見渡せる展望スペースが整備されています。
◆ ④ 「命の水」蒲の穂の史跡
白兎を救ったとされる「蒲の穂」を象徴する史跡も残されており、神話を体感できるスポットとして散策に最適です。
■ 神社の歴史
白兎神社の創建時期は明確ではありませんが、古くから白兎伝承の地として信仰されてきました。
平安時代の延喜式神名帳にも名を連ねる式内社で、格式の高い古社です。白兎を癒した「白兎の湯(真水)」や、「蒲の生える湿地」が近くに存在したことから、この神話が地域に深く根付いていたことがわかります。
■ 御朱印・授与品
- 縁結び御朱印
- 白兎お守り
- 結び石
- 美肌守り(皮膚の神としての信仰)
白兎の神話モチーフを生かした可愛らしいデザインが多く、人気があります。
■ アクセス
所在地:鳥取県鳥取市白兎603
・JR鳥取駅からバスで約40分
・車なら鳥取市内中心部から約20分
・白兎海岸駐車場が利用可能
■ 白兎神社はこんな人におすすめ
- 恋愛成就・良縁を願いたい
- 神話の舞台を巡ってみたい
- 家族旅行・子どもとの神話学習にも
- 海の絶景と神社の両方を楽しみたい
白兎神社の参拝は、ただ祈願するだけではなく、神話の世界を体感できる特別な時間になります。近くの白兎海岸と合わせて巡れば、因幡の白兎の物語がより鮮明に感じられることでしょう。
白兎神社は、神話と自然が溶け合う“縁を結ぶ聖地”。
訪れれば、大国主命と白兎の物語がきっとあなたの旅を彩ってくれます。


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