滋賀県高島市、琵琶湖の西岸に鎮座する**白鬚神社(しらひげじんじゃ)**は、
湖中に立つ朱色の大鳥居で知られる、近江国最古級の神社です。
日本遺産にも選ばれているのはすごい‼
全国にある白髭神社300社の総本山でもあります。
その名のとおり「白鬚(白いひげ)」は長寿の象徴であり、
古来より延命長寿・健康長寿の神として篤い信仰を集めてきました。
今回は、白鬚神社の由緒、御祭神、神話背景、境内の見どころを詳しくご紹介します。
■ 白鬚神社の概要
- 社名:白鬚神社
- 所在地:滋賀県高島市鵜川
- 創建:垂仁天皇25年(伝)
- 旧社格:県社
- 近江国最古級の古社
白鬚神社は約2,000年の歴史を持つとされ、
湖上信仰と長寿信仰が結びついた、極めて古い形の神社です。
■ 御祭神 ― 猿田彦大神
白鬚神社の主祭神は、
- 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
猿田彦大神は、
- 天孫降臨の道案内
- 物事の始まりを司る神
- 人生の岐路を導く神
として知られています。
白鬚神社では特に、
- 延命長寿
- 開運導福
- 道開き
の神として信仰されてきました。
白髭神社の名前の由緒として
猿田彦大神の容姿を”白鬚の老人”と捉えた説、
猿田彦大神が琵琶湖の景色をみて髭が白くなるまで(6万年)過ごした場所
といった説があります。
■ 白鬚神社の由緒 ― 湖上信仰と長寿の神
白鬚神社は、
古代より琵琶湖を行き交う人々の航路安全を祈る社として栄えました。
湖は恵みをもたらす一方、
荒れると命を奪う存在でもあります。
その湖に向かって鳥居を立てることで、
- 水の神を鎮め
- 人々の命と暮らしを守る
という信仰が形になったのです。
「白鬚」という社名は、
- 長く生きる
- 豊かな経験を積む
- 人生の道を知る
という意味を象徴しています。
■ 湖中大鳥居 ― 白鬚神社最大の見どころ
白鬚神社といえば、
琵琶湖の中に立つ朱色の大鳥居が最大の象徴です。
- 湖面に映る鳥居
- 朝焼けや夕暮れに染まる姿
は、神域と人の世界の境界を示す「結界」ともいえる光景です。
この鳥居は、
- 湖そのものを御神体とする
- 水上交通の安全を祈る
という、古代信仰の姿を今に伝えています。
■ 境内の見どころ
● 本殿・拝殿
素朴で落ち着いた社殿は、
長い歴史を重ねてきた古社らしい佇まいです。
● 摂社・末社
境内には、健康・学業・開運などを祈る社が点在し、
生活に根ざした信仰の広がりが感じられます。
● 琵琶湖を望む神域
拝殿から望む琵琶湖は、
神と自然が一体であることを強く実感させてくれます。
■ 白鬚神社のご利益
- 延命長寿
- 健康祈願
- 開運導福
- 交通安全
- 人生の道開き
特に、
- 人生の節目
- 病気平癒の祈願
- 第二の人生のスタート
に参拝する人が多い神社です。
上の宮
伊勢両宮
天照大神や豊受大神などの神を祀っています。
八幡三社
加茂、八幡、高良の神々を祀っています。
岩戸社 ※古墳 石室
古墳時代につくられたとされる石室を天の岩戸に見立て祀られています。
多くの歌碑や句碑
神社付近の景色から様々な歌碑や句碑があります
鵜川四十八体仏 石仏群
滋賀県の史跡に指定されており、本来は48体あったと言われていますが、現代は38体しかないと言われています。
室町時代に六角氏が作ったとされていましたが、鎌倉時代にもあったとされ、未だに謎となっています。
また38体しかないのは、天海上人が大津へ移動させたとの歴史もあるとのことですが理由は不明となっています。
■ 例祭と信仰
白鬚神社では、
湖と人との関係を象徴する神事が行われ、
自然への畏敬と感謝が今も受け継がれています。
■ 白鬚神社を訪ねて
白鬚神社は、
観光名所であると同時に、
祈りの原点を感じられる場所です。
琵琶湖の風を感じながら参拝すると、
自分自身の人生の道を見つめ直す、
静かな時間を過ごすことができるでしょう。
みどころ
湖中の鳥居
近江の厳島とも呼ばれる白髭神社、そのシンボルともされるのが湖中の大鳥居です。
しかし、鳥居が湖中に立つ由緒については資料もなく謎に包まれています。
鎌倉時代の資料には鳥居が陸地にある絵図がのこっており、室町時代の絵図には鳥居が湖中に描かれているそうです。
陸にあったのが琵琶湖の水位が上昇し、湖中に鳥居が残ったと考えられていますが、いまだにその謎についてはわかっていません。
現代の鳥居は昭和12年に大阪の問屋の方が過去の伝承に基づき個人が寄進したものだそうです。
■ まとめ
白鬚神社は、
- 近江国最古級の古社
- 猿田彦大神を祀る道開きの神社
- 琵琶湖と一体となった湖上信仰の象徴
として、唯一無二の存在です。
湖中に立つ鳥居の向こうに、
これからの人生を照らす「道」を思い描きながら、
ぜひ【神社めぐり】の一社として訪れてみてください。

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