【神社めぐり】高瀬神社(富山県 南砺市)

富山県南砺市に鎮座する高瀬神社は、越中国一宮として知られ、富山県内でも最も格式が高い神社の一つです。主祭神は大国主命。出雲系の信仰が北陸に根付いていることを示す象徴的な神社といえます。

■主祭神

・大国主命

大国主命は国造りの神・縁結びの神として全国で広く信仰されていますが、高瀬神社はその中でも「北陸における大国主信仰の中心地」とされ、とくに人生の節目に参拝に訪れる人が多い神社です。


歴史・由緒

社伝によれば創建は非常に古く、奈良時代にはすでに越中国の中心的な社として崇敬を受けていたと伝わります。『延喜式神名帳』にも記載される式内社であり、名実ともに古社としての格を持っています。

中世には越中守護や加賀前田家などの加護を受け、近世から現代にかけても越中一宮として信仰が継続してきました。

また、この地は出雲から大国主命が「北陸巡行」して立ち寄った場所とも伝わり、出雲信仰と越中地域文化の接点という意味でも重要な位置付けを持っています。


不思議な伝承・伝わり

高瀬神社には、社殿の背後にある山を「神体山」とする信仰が残っており、古代的な山岳信仰の名残を色濃く残しています。この「山を神とする構造」は出雲系の神社に多く見られる特徴で、その意味でも神社の古い信仰形態の片鱗が感じられます。

また、社域には「大国様の力石」が残されています。古くは力比べや力試しが行われたとされ、この信仰習合や民俗信仰の痕跡が境内に残っていることも特色のひとつです。


見どころ

・拝殿・本殿の荘厳な結界と社域の清浄感
・神体山を背景とした境内構造
・古式の儀礼が今も続く一宮としての雰囲気
・大国主命ゆかりの民俗信仰が残る各種石造物

富山の南砺地域は城端や井波など、古い町並みや木彫文化も残る地域。参拝と合わせて周辺の寄り道も非常に相性が良い場所です。


まとめ

高瀬神社は、北陸の出雲信仰が現代にそのまま残されたような神社です。学術的にも民俗的にも、そして参拝体験としても「神話の空気を肌で味わえる」貴重な聖地。

越中一宮という格式を持ちながら、静かで落ち着いた雰囲気の中に神域特有の張り詰めた感覚がある神社です。南砺に訪れた際はぜひ参拝してみてください。

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