【神社めぐり】鳳来山東照宮|家康公ゆかりの東海の霊宮【愛知・新城市】

東海の霊峰「鳳来寺山」に、まるで宝石のように輝く社殿――
そこは、徳川家康公を神として祀る「鳳来山東照宮(ほうらいさんとうしょうぐう)」。

日光・久能山と並び称される三大東照宮の一社として、豪華な装飾と深い歴史を今に伝えています。
本記事では、その由緒・見どころ・アクセスなどを丁寧にご紹介します。


■鳳来山東照宮とは?

項目内容
所在地愛知県新城市門谷字鳳来寺
創建1651年(慶安4年)
祭神徳川家康公(東照大権現)
社格別表神社(旧県社)
建築様式権現造、極彩色の彫刻が特徴
文化財本殿・幣殿・拝殿など5棟が国指定重要文化財

■由緒|徳川家康公誕生と「祈りの山」

徳川家康の母「於大の方(おだいのかた)」は、三河国・刈谷城の出身。
彼女は鳳来寺山の薬師如来に「男子誕生」を祈願し、後に家康が誕生したと伝えられています。

その縁から、三代将軍・徳川家光が祖父家康の霊を祀るために建立したのが鳳来山東照宮です。
創建は1651年、家康の三十三回忌にあたる年であり、徳川政権の安泰と家康公の神格化を象徴する神社となりました。


■建築の見どころ|極彩色の社殿と精緻な彫刻美

鳳来山東照宮は、「日光東照宮」に比べると小規模ながらも、華やかさと荘厳さを凝縮したような美しさを誇ります。

建築部位見どころ
本殿・幣殿・拝殿総ケヤキ造り。極彩色の龍や獅子の彫刻。国指定重要文化財。
石鳥居石材製の大鳥居。荘厳な雰囲気を演出。
石段と石垣山上に続く参道。石垣は江戸初期の築造技術を示す貴重な遺構。

特に拝殿の天井には、天女や鳳凰、飛龍などの幻想的な彫刻が施されており、静けさの中に神秘的な気配が漂います。


■自然との調和|「霊山の上の東照宮」

鳳来山東照宮の魅力は、建築美だけではありません。
背後にそびえる鳳来寺山の霊気が社殿全体を包み込み、まるで空中に浮かんでいるかのような静謐さを醸し出します。

  • 春:新緑と彫刻のコントラストが美しい
  • 秋:紅葉と朱の社殿が見事な調和
  • 冬:霧に包まれた社殿が神秘的

境内からは三河平野の風景が遠望でき、まさに「天上の聖域」といえる空間です。


■徳川家との深い縁|ゆかりの品や伝承

  • **家康の胎毛を納めた「胎毛塚」**が境内に現存
  • かつては家康の産湯を汲んだと伝わる「湧き水」も
  • 鳳来寺本堂との距離も近く、家康ゆかりの祈りの空間が連続しています

江戸時代には将軍家の代参もあり、東海地方の徳川信仰の象徴でもありました。


■アクセス情報・参拝案内

区分内容
最寄駅JR飯田線「本長篠駅」→バスで「鳳来寺」下車
鳳来寺山パークウェイ利用山頂駐車場から徒歩約10分
徒歩登拝表参道の石段1,425段から約60分(健脚向け)
所要時間見学含めて約1〜2時間が目安

■御朱印情報

  • 鳳来山東照宮では、力強い「東照宮」印の御朱印が授与されています
  • 鳳来寺本堂とは異なるため、両方を参拝して御朱印を揃える方も多数

■まとめ|家康公の魂が息づく、東海の聖域へ

鳳来山東照宮は、単なる歴史的建造物ではなく、
徳川家康という“歴史を動かした男”の祈りと魂が込められた神域です。

  • 色鮮やかな彫刻建築
  • 鳳来寺山の大自然
  • 家康公の伝承
  • 山上からの絶景

すべてが調和し、静かな感動を与えてくれる、まさに「隠れた名社」。
東照宮というと日光や久能山が有名ですが、**鳳来山東照宮こそ“知る人ぞ知る名社”**として、訪れる価値は十分です。

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