なぜ神社には鳥居があるの?神話から読み解く日本の信仰

神社を訪れると、必ずと言っていいほど目にする「鳥居(とりい)」。
あの特徴的な門は、なぜ神社の入口に立っているのでしょうか?

本記事では、鳥居の意味や役割、そして日本神話との関わりをわかりやすく解説します。


1. 鳥居とはなにか?その役割は?

鳥居とは、**神社の境内と私たちの世界(俗界)を分ける“結界”**の役割を持つ門です。

鳥居をくぐるという行為には、

  • 神聖な場所に入るための心構えを整える
  • 穢れ(けがれ)を祓い、身を清める
    といった意味が込められています。

つまり、鳥居はただの装飾ではなく、神域への入口なのです。


2. 鳥居の起源はどこにある?

鳥居の起源にはいくつかの説がありますが、特に有名なのが**「天岩戸(あまのいわと)神話」**に基づく説です。


3. 神話に登場する“鳥の止まり木”説

『古事記』や『日本書紀』に登場する神話「天岩戸」では、
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れてしまい、世界が闇に包まれます。

そのとき、神々は天照大神を外に出すための祭り(神楽)を行い、鶏を集めて鳴かせたと伝えられています。

このとき鶏が止まっていたのが「鳥居」――
つまり、“鳥が止まる木”が信仰の対象となり、鳥居の原型になったという説です。

これが、鳥居という名前の由来とされることもあります。


4. 鳥居はなぜ赤いの?

多くの神社では鳥居が朱色に塗られていますよね。これは、朱色が魔除けの色とされているためです。

さらに、

  • 鉛丹(えんたん)という朱色の顔料が、防腐・防虫効果を持っていた
  • 太陽を象徴する天照大神にふさわしい神聖な色

などの実用性・信仰性の両面があったと考えられています。


5. 鳥居の種類は実はたくさんある!

鳥居にはいくつもの種類があり、神社の系統や時代によって形が異なります。

主な鳥居の種類:

名称特徴代表例
神明鳥居(しんめいとりい)直線的でシンプルな形伊勢神宮
明神鳥居(みょうじんとりい)曲線のある上品なデザイン春日大社
両部鳥居(りょうぶとりい)補強のための支柱つき八幡系神社
三輪鳥居中央に小さな鳥居を含む特殊構造三輪神社(奈良県)

神社を訪れる際には、鳥居の形にも注目してみると楽しいですよ!


6. 鳥居は“神様への敬意のしるし”

鳥居は単なる門ではなく、神域に入る前に心を整える装置であり、
神様に「これからお邪魔します」という敬意のあらわれです。

神社で鳥居をくぐる際は、軽く一礼してから通るのが正式な作法。
これを知っているだけでも、神社巡りがぐっと深まりますね。


まとめ|鳥居は日本人の信仰の入口

鳥居の意味神域と俗世を分ける結界
起源(説)鶏の止まり木、神話の中の祭事から
色の意味朱色=魔除け・太陽の象徴
形の種類神明鳥居・明神鳥居・両部鳥居など

鳥居は日本人にとって、「目に見える信仰のかたち」です。
神様と人とを結ぶ入口に立ったとき、その奥に広がる“見えない世界”に思いを馳せてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も日本神話や神社の意味を深掘りした記事を更新していきます。
よければSNSでのシェアやコメントもお待ちしています!

コメント

タイトルとURLをコピーしました