名古屋市中区大須に位置する「亀岳林 万松寺」は、織田信長の父・織田信秀公が1540年に創建した、織田家の菩提寺として知られています。歴史的な背景と現代的な演出が融合したこの寺院は、多くの参拝者や観光客に親しまれています。今回は、万松寺の歴史的な見どころを中心にご紹介します。
🪦 信秀公墓碑(織田信長の父の墓)
織田信秀公は、尾張国の勝幡城主・織田信定の嫡男として生まれ、尾張一円を治めた戦国大名です。1540年に万松寺を創建し、1552年に亡くなった際には同寺で葬儀が行われました。その際、息子・信長が位牌に抹香を投げつけた「抹香事件」が起こったことでも知られています。信秀公の墓碑は、老朽化に伴い2015年に撤去されましたが、2018年に新たな場所に再建され、毎年3月3日には追善法要「信秀忌」が執り行われています
👘 御深井観音(春姫様の守護仏)
御深井観音は、初代尾張藩主・徳川義直公の正室である春姫様の守護仏として祀られています。名古屋城の北側にある御深井の里に祀られていたことからこの名で呼ばれています。春姫様は御深井観音を深く信仰し、不安や苦しみから解放されたと伝えられています。現在も、安産成就、良縁成就、恋愛成就、厄難消除を願う多くの方々が参拝に訪れています。
🪨 重軽地蔵(願掛けの仏様)
万松寺の北西に位置する重軽地蔵は、願掛けの仏様として信仰されています。参拝の際には、まずお地蔵様を持ち上げ、次に願いを込めて合掌し、その後もう一度お地蔵様を持ち上げます。このとき、最初よりも軽く感じられれば願いが叶うとされています。この独特な参拝方法は、多くの参拝者に親しまれています。
👣 仏足石(お釈迦様の足跡)
仏足石は、お釈迦様の足跡を石に刻んだもので、仏教の教えを象徴するものとして古くから信仰されています。万松寺の仏足石は、1610年には既に存在していたとされ、長い歴史を持つ貴重な遺物です。現代的な建築の中にありながら、古の仏教文化を感じることができるスポットとなっています。
🐉 白龍(守護神のモニュメント)
万松寺の境内には、全長約8メートルの白龍のモニュメントが設置されています。白龍は仏教における守護神であり、清浄を象徴する存在とされています。この白龍は、2017年に新たな恵みをもたらすよう願いを込めて復活させたもので、現在では大須商店街の人気の撮影スポットの一つとなっています。また、毎日数回、映像・音・水・光を組み合わせた演出が行われ、訪れる人々を楽しませています。
📍 アクセス情報
- 寺名:亀岳林 万松寺(ばんしょうじ)
- 住所:愛知県名古屋市中区大須3丁目29−12
- 拝観時間:10:00~18:00
- 電話番号:052-262-0735
- アクセス:地下鉄名城線「上前津駅」より徒歩約5分
万松寺は、歴史的な背景と現代的な演出が融合した魅力的な寺院です。大須商店街の散策と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
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