神の使いとされる神使について紹介していきます。
日本の神道や仏教においては「神使(しんし)」や神様の眷属(けんぞく:使い)として崇められている動物は非常に多く存在します。
特に有名な神使たちを、神様や神社と共にご紹介します。
🦊 代表的な神使(しんし)たち
| 動物 | 主な神様・神社 | 特徴・由来 |
| 龍(りゅう) | 水神・海神、弁才天 | 水の神として雨を司り、豊穣や生命の源の象徴。神泉苑など、水に関わる場所や神仏の使いとして信仰される。 |
| 八咫烏(やたがらす) | 熊野三山(熊野権現)、太陽神(天照大神) | 導きの神、太陽の化身。 神武天皇を熊野から大和へ道案内した伝説を持つ。一般的に三本足で描かれる。 |
| 天狗(てんぐ) | 高尾山(飯縄大権現)、鞍馬山、修験道 | 山神の眷属、護法善神。 高い神通力を持ち、魔除けや火伏せの神として信仰される。鼻高天狗と烏天狗がいる。 |
| 狐(きつね) | 稲荷神社(稲荷神) | 稲作の神である稲荷神の使いとして最も有名です。穀物や商売繁盛の神の霊力を持ち運ぶと信じられています。 |
| 鹿(しか) | 春日大社、鹿島神宮 | 奈良の春日大社では、祭神が鹿に乗ってやってきたという伝説から神使とされています。鹿は神聖な生き物として扱われ、奈良公園の鹿もその名残です。 |
| 猿(さる) | 日吉大社、日枝神社(山王権現) | 「神猿(まさる)」と呼ばれ、「魔が去る」「勝る」に通じることから縁起が良いとされ、魔除けや災難除けの役割を持ちます。 |
| 牛(うし) | 天満宮(菅原道真公) | 学問の神様、菅原道真公が丑年生まれで、牛にまつわる様々な伝説があることから神使とされています。境内には「撫牛(なでうし)」が置かれています。 |
| 鳩(はと) | 八幡宮 | 応神天皇を祀る八幡神の神使です。平和の象徴であり、八幡宮の紋章にも鳩が用いられることがあります。 |
| 蛇(へび) | 弁才天、大神神社 | 脱皮することから**「不老長生」「再生」**の象徴とされます。また、水の神様や財福の神である弁才天の使い、または神そのものとして崇められます。白蛇は特に縁起が良いとされます。 |
| 狼(おおかみ) | 武蔵御嶽神社、三峯神社 | 特に奥多摩や秩父地方で、「お犬様(おいぬさま)」として信仰されます。これは、盗難や火災、魔物から人々を守る山岳の守護神としての役割を持ちます。 |
| 鶏(にわとり) | 伊勢神宮、熱田神宮 | 夜明けを告げる鳥として、**天照大神(太陽神)**と縁が深いとされ、神の使いとして神聖視されています。 |
| 兎(うさぎ) | 住吉大社、岡崎神社、調神社 | 住吉大社では、神功皇后が祭りを行った日が卯(う)の日だったことに由来。調神社では「つき」が「月」に通じるため、月の使いとされる兎が神使です。 |
| 猪(いのしし) | 護王神社、摩利支天 | 和気清麻呂を祀る護王神社では、清麻呂を助けたという伝説から神使です。足腰の健康や災難除けの象徴とされます。 |
これらの神使たちは、その動物の持つ特性や、神話・伝説での役割から、特定の神様と結びつき、私たちに神様のお心やご利益を伝えてくれる存在とされています。
