【神社めぐり】京都の“賀茂社”を訪ねて|下鴨神社と上賀茂神社、千年の都を守る古社【京都】【世界遺産】

千年の都・京都には、数えきれないほどの神社がありますが、その中でも**「賀茂社(かもしゃ)」**として親しまれてきたのが、
下鴨神社(賀茂御祖神社)」と「上賀茂神社(賀茂別雷神社)」です。

この2つの神社は、京都最古の神社ともいわれ、葵祭をはじめとする伝統行事や、世界遺産にも登録された文化価値の高い聖地です。
今回はこの“賀茂の二社”をめぐる旅にご案内します。


■ 賀茂社とは?

賀茂氏の氏神を祀るこの二社は、古代より朝廷の崇敬が非常に厚く、「賀茂の斎王制度」など、歴史的にも重要な役割を担ってきました。
現在でも両社は深い関係にあり、**毎年5月に行われる「葵祭」**は、下鴨神社と上賀茂神社の例祭を合わせて行われています。


■ 下鴨神社(賀茂御祖神社)

◇ 概要とご祭神

項目内容
所在地京都市左京区下鴨泉川町
ご祭神賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
玉依媛命(たまよりひめのみこと)
創建不詳(弥生時代以前とも)
主なご利益縁結び・安産・厄除け・家内安全

賀茂川と高野川の合流地点に位置し、糺の森(ただすのもり)と呼ばれる原生林に囲まれた神域が特徴的です。
この神社は、母神「玉依媛命」と祖神「賀茂建角身命」を祀っており、「育み」「導き」の神様
としても親しまれています。

◇ 見どころ

  • 糺の森:約12万㎡の原生林。京都市内とは思えない自然の静寂。
  • 本殿(国宝):流造(ながれづくり)の典型で、平安時代からの姿を保つ。
  • 相生社と連理の賢木:縁結び・良縁祈願の名所。
  • みたらし池:みたらし団子発祥の地。足つけ神事でも有名。

■ 上賀茂神社(賀茂別雷神社)

◇ 概要とご祭神

項目内容
所在地京都市北区上賀茂本山
ご祭神賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)
創建678年(飛鳥時代)
主なご利益厄除け・開運・雷除け・国家安泰

賀茂別雷大神は、下鴨神社の玉依媛命が賀茂川で身ごもった神であり、上賀茂神社はその子神を祀っています。
“雷”の名の通り、エネルギーと浄化の神とされ、古くから災いを祓う神として信仰されてきました。

◇ 見どころ

  • 本殿・権殿(国宝):左右対称に並ぶ二棟の建物。神聖な空間。
  • 立砂(たてずな):盛り塩の原型とされる円錐形の砂。結界の象徴。
  • 渉渓園:神社の庭園。四季折々の美しい景色が楽しめる。
  • 馬場殿(重文):流鏑馬神事などの舞台。

■ 世界遺産に登録された“古都の神社”

1994年、両社ともにユネスコの**「古都京都の文化財」**の一部として世界文化遺産に登録されました。
登録理由は以下のような点にあります:

  • 都の守護神として千年以上の歴史を持つ
  • 本殿などに古代建築の様式が残る(国宝・重要文化財)
  • 糺の森や賀茂川など、自然と信仰が共存する環境

■ 葵祭|千年の伝統を今に伝える京都三大祭の一つ

毎年5月15日に行われる「葵祭」は、両社の例祭であり、平安時代から続く王朝行列が見どころです。
十二単をまとった斎王代や牛車、勅使たちが京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社へと巡行します。

「葵祭」という名は、すべての装束や飾りに“葵の葉”をあしらっていることに由来します。


■ アクセス情報

神社名最寄駅・アクセス
下鴨神社京阪「出町柳駅」より徒歩10分
上賀茂神社地下鉄「北大路駅」より市バス約10分「上賀茂神社前」下車

■ まとめ|“源流の神々”に出会う京都の神社めぐり

下鴨神社と上賀茂神社――この二社を訪れることは、
ただの観光ではなく、京都の源流にふれる時間です。

  • 都の誕生とともに守護されてきた神域
  • 自然と調和した神道建築と森
  • 世界遺産としての誇りと品格

季節ごとに違う表情を見せる賀茂の社で、ぜひ静かな祈りの時間を過ごしてみてください。

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