【お寺めぐり】本尊ってなに?|お寺に祀られる代表的な仏様たち

お寺を訪れると、必ずと言っていいほど「本尊(ほんぞん)」と呼ばれるご本尊の仏像が安置されています。
でも、「本尊ってそもそも何?」「お寺によって仏様が違うのはなぜ?」と疑問に思ったことはありませんか?

今回は、日本のお寺に祀られる主な本尊の仏様たちをわかりやすくご紹介します。
仏像巡りを楽しむ第一歩として、ぜひご覧ください。


■ 本尊とは?

**本尊(ほんぞん)**とは、お寺の中心に祀られている仏様のことです。
「信仰の中心となる対象」であり、参拝の際にはこの仏様に手を合わせることになります。

お寺ごとに宗派や教えの重視点が異なるため、本尊の仏様もさまざま。
また、地域や歴史的な背景によっても変わることがあります。


■ 主な本尊とされる仏様たち

ここでは、代表的な本尊を【如来】【菩薩】【明王】【天部】のカテゴリーに分けて紹介します。


◆ 如来(にょらい):悟りを得た者

最も尊い存在で、衣をまとっただけのシンプルな姿が特徴です。

仏名特徴・ご利益主な本尊寺院
釈迦如来お釈迦様。仏教の開祖。人生の導き・教え清水寺(京都)、善光寺(長野)
阿弥陀如来極楽浄土の主。死後の救済平等院鳳凰堂(宇治)、三千院(京都)
薬師如来病気平癒・健康長寿の仏薬師寺(奈良)、新薬師寺(奈良)
大日如来宇宙の真理そのもの。密教の中心仏東寺(京都)、高野山金剛峯寺(和歌山)

◆ 菩薩(ぼさつ):人々を救う途中の存在

如来に至る修行中の存在で、装飾的な姿が特徴です。慈悲と救済の象徴。

仏名特徴・ご利益主な本尊寺院
観音菩薩(観世音)苦しみを聞き取り救う仏。特に人気が高い浅草寺(東京)、長谷寺(奈良)
勢至菩薩知恵を司り、阿弥陀如来と共に現れる比叡山延暦寺(滋賀)などで脇侍として
文殊菩薩学問・知恵の象徴安倍文殊院(奈良)
地蔵菩薩子供・亡者・地獄にいる人々を救う六地蔵寺、延命地蔵など多数

◆ 明王(みょうおう):悪を砕き人を守る怒りの仏

憤怒の形相で現れる守護仏。特に真言宗・密教系で重視されます。

仏名特徴・ご利益主な本尊寺院
不動明王怒りの形相で悪を断ち切る。開運・厄除け成田山新勝寺(千葉)、高幡不動尊(東京)
愛染明王愛と煩悩をも悟りに変える。縁結び愛染堂勝鬘院(大阪)
降三世明王煩悩を支配する。密教修行の護法神高野山など密教寺院

◆ 天部(てんぶ):仏教を守る神々

インド由来の神様が仏教に取り込まれ、守護神として祀られる存在です。

仏名特徴・ご利益主な本尊寺院
毘沙門天財運・勝負運の守り神四天王寺(大阪)、鞍馬寺(京都)
弁才天(弁財天)芸能・知恵・財運を司る女神江島神社(神奈川)、宝厳寺(滋賀)
大黒天福の神。食・財・商売繁盛大黒寺、日光など
韋駄天足の速さと勝利の神韋駄天信仰は禅宗などに多く見られる

■ 本尊の種類は数百にも?

実際に本尊とされる仏様の種類は、全国の寺院の数だけ異なるといっても過言ではありません。
特定の仏様に集中している場合もあれば、地方の信仰や縁起により珍しい仏様が本尊になっていることもあります。

例:

  • 馬頭観音:動物供養・旅の安全
  • 十一面観音:災難除け・病気平癒
  • 如意輪観音:願望成就、現世利益

■ 仏様を見る楽しみが広がる!

お寺を訪れる際、ぜひ本堂に入ってどの仏様が本尊なのかを意識してみましょう。

  • 仏様の姿勢や表情
  • 手の形(印相)
  • 持ち物や衣装
  • 脇侍(わきじ)や背後の光背(こうはい)

これらを観察するだけでも、お寺の個性や歴史が見えてきます。


■ まとめ|仏様との出会いは、心の旅

日本のお寺には、私たちの心に語りかけてくれるさまざまな仏様が本尊として祀られています。
その姿、祈り、教えに触れることで、ふと立ち止まるきっかけになるかもしれません。

仏様との出会いは、自分自身を見つめる旅。
あなたの次のお寺めぐりが、より深く心に響くものになりますように。

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