【神社めぐり】熱田神宮の別宮「八剣宮」 ― 草薙剣と深い縁を持つ社

愛知県名古屋市に鎮座する熱田神宮は、三種の神器のひとつ**草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る日本有数の古社です。その広大な境内には多くの摂社・末社が点在していますが、その中でも特別な存在が別宮「八剣宮(はっけんぐう)」**です。

八剣宮は、熱田神宮の境内で最も重要な社のひとつであり、御本宮と同じご祭神を祀ることから「御本宮の御分霊」として厚く信仰されています。今回はこの八剣宮の歴史やご利益、見どころを詳しくご紹介します。


◆ 八剣宮の由緒

八剣宮は、**寛文7年(1667年)**に創建されました。
そのきっかけは、御本宮の社殿が修造された際、御本宮のご祭神を分霊してお祀りする社として建立されたことにあります。

もともと熱田神宮のご神体である草薙剣は、**日本武尊(やまとたけるのみこと)**が東征で用いた神剣です。その神剣を守護する社として八剣宮が置かれ、「八剣」の名はまさに草薙剣に由来しています。


◆ ご祭神

八剣宮のご祭神は、御本宮と同じく熱田大神(あつたのおおかみ)です。
熱田大神とは、三種の神器の一つである草薙剣を御霊代とする天照大神
を指します。

すなわち、八剣宮は御本宮と同等の尊い神威を宿す社といえるでしょう。


◆ ご利益

八剣宮は御本宮と同じ神を祀ることから、

  • 開運招福
  • 出世開運
  • 勝運
  • 家内安全
  • 厄除け

といった幅広いご利益があると伝えられています。

特に「勝運」「開運」のご利益は、草薙剣にまつわる武勇伝に由来し、人生の困難を切り開く力を授けるとされています。


◆ 建築と見どころ

八剣宮の社殿は、御本宮と同じ**神明造(しんめいづくり)**で造られています。檜皮葺きの屋根と質素ながら厳かな雰囲気は、熱田神宮ならではの荘厳さを感じさせます。

また、八剣宮は御本宮の南東側に位置しており、境内を散策すると自然とその清浄な空気に導かれるように出会えます。
観光客には比較的知られていないため、落ち着いた雰囲気の中で参拝できるのも魅力の一つです。


◆ 八剣宮の信仰と年中行事

八剣宮は古くから「御本宮と同じ神威を授かれる別宮」として篤い信仰を集めてきました。
特に、地域の人々にとっては「身近に参れる御本宮」として、日常的な祈りの場になっています。

また、例祭をはじめとする祭祀も厳かに行われ、御本宮と同様に重要な神事の一角を担っています。


◆ まとめ

熱田神宮の別宮「八剣宮」は、

  • 寛文7年に創建された御本宮の御分霊社
  • 御本宮と同じく熱田大神(草薙剣を御霊代とする天照大神)を祀る
  • 勝運・開運・厄除けなど幅広いご利益を授ける
  • 境内で落ち着いて参拝できる隠れた名所

として、多くの参拝者に親しまれています。

御本宮への参拝とあわせて八剣宮にも足を運べば、より一層熱田大神の神威をいただけることでしょう。

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