◆はじめに
神奈川県高座郡寒川町に鎮座する「寒川神社(さむかわじんじゃ)」は、関東を代表する格式高い古社で、全国唯一の「八方除」の守護神として知られています。
およそ1500年以上の歴史を持ち、古来より国家鎮護・方位除けの神として朝廷や武将から厚く崇敬されてきました。
現在も、厄除けや方位除け、家内安全、事業繁栄を祈る人々で一年を通じて賑わい、関東屈指のパワースポットとして人気を集めています。
◆神社の概要
- 名称:寒川神社(さむかわじんじゃ)
- 鎮座地:神奈川県高座郡寒川町宮山3916
- 社格:相模国一之宮/旧国幣中社
- 御祭神:寒川比古命(さむかわひこのみこと)・寒川比女命(さむかわひめのみこと)
- 創建:不詳(古代、欽明天皇の御代以前と伝わる)
- 別称:八方除総鎮守・相模國一之宮
◆御祭神とそのご神徳
寒川神社の御祭神は、**寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)**の二柱。
この二柱は陰陽の調和を象徴し、天地のすべてを司る神として信仰されています。
御神徳は広大で、特に「八方除」として有名。
八方除とは、方位・方角に関わるすべての災いを取り除き、運気を整えるという信仰で、転居・建築・旅行・新事業の開始などの際に多くの参拝者が訪れます。
さらに、交通安全や家内安全、事業繁栄、厄除け、健康長寿など、多方面にご利益があるとされています。
◆寒川神社の歴史
寒川神社の創建は古く、詳細は不明ながら、欽明天皇の御代(6世紀頃)にはすでに社殿があったと伝わります。
奈良時代には「延喜式神名帳」にも記載され、相模国一之宮として朝廷の崇敬を受けてきました。
源頼朝が鎌倉幕府を開いた際には、国家安泰と武運長久を祈願し、社領を寄進した記録も残っています。
また、江戸時代には徳川家の信仰も篤く、特に五代将軍・綱吉の母「桂昌院」からの寄進によって社殿が修復されています。
明治以降は国幣中社に列せられ、現在も関東の守護神として多くの人々に親しまれています。
◆見どころ
◇荘厳な大鳥居と参道
寒川神社の象徴ともいえるのが、県道沿いにそびえる大鳥居。
木々に包まれた長い参道を歩くと、心が自然と静まり、神聖な気配を感じられます。
特に春には桜並木、秋には紅葉が美しく、四季折々の表情を楽しめます。
◇本殿と神門
現在の社殿は昭和57年に造営されたもので、檜造りの重厚な美しさが際立ちます。
立派な神門をくぐると、左右対称の構造が整然と並び、まさに“調和の神”を祀る神社らしい整美な雰囲気に包まれます。
夜間のライトアップ時は幻想的な姿を見せ、静かな神域をより一層神秘的に照らします。
◇神嶽山神苑(かんたけやましんえん)
寒川神社の境内奥にある庭園「神嶽山神苑」は、知る人ぞ知る癒しのスポット。
池泉回遊式庭園を中心に茶室「はなれ」を併設し、神聖な空間の中でお茶をいただくことができます。
(※拝観には志納料が必要)
◇方位盤と渾天儀(こんてんぎ)
境内には、八方除の象徴ともいえる「方位盤」と「渾天儀(天体観測器)」が設置されています。
東西南北を超えた“天地八方”を祓う寒川神社の信仰を象徴する場所であり、参拝者に人気のパワースポットです。
◆ご利益と祈祷
寒川神社では、全国から訪れる参拝者に向けて八方除や厄除、交通安全、家内安全、商売繁盛などの祈祷が行われています。
特に「八方除祈祷」は寒川神社独自の祈祷で、厄年や引越し、新築、方位替えなど人生の節目に多くの方が受けに訪れます。
授与所には、「八方除守」「開運守」「交通安全守」など多彩なお守りが揃っており、特に八方除を象徴する八角形の御守が人気です。
◆年中行事
- 歳旦祭(1月1日):新年を祝う祭典。初詣には全国から数十万人の参拝者が訪れます。
- 節分祭(2月):盛大な豆まきが行われ、多くの人で賑わいます。
- 例大祭(9月20日):最も重要な神事で、雅楽の調べの中、厳粛に執り行われます。
- 寒川神社流鏑馬(10月):古式ゆかしい神事。馬上から矢を放つ勇壮な姿が圧巻です。
◆アクセス情報
- 所在地:神奈川県高座郡寒川町宮山3916
- アクセス:
JR相模線「宮山駅」より徒歩約5分
東名高速「厚木IC」または「茅ヶ崎中央IC」より車で約15分 - 駐車場:無料駐車場あり(約400台)
◆まとめ
寒川神社は、古代から人々を守り続ける“方位と厄除けの総本宮”。
どの方向から訪れても災いを祓い、運気を整えてくれる全国唯一の八方除神社です。
引越し・転職・新築・開業など、新しい一歩を踏み出すときには、ぜひ訪れたいパワースポット。
清らかな空気と荘厳な神域に包まれながら、心を整え、新しい運気を迎えてみてはいかがでしょうか。

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