■ホツマツタエとは
ホツマツタエは、記紀とは異なる視点で日本神話・皇統の歴史を記したとされる古史古伝で、特徴は特にヲシテ文字と呼ばれる独自表記による文献であることです。
文章は五七調が基本となり、神々の物語、政治体系、祭祀のあり方などを叙事詩のように記述しています。
この文献をもとに「日本の神話はもっと体系的な統治史として整理できるのではないか」と考える研究者や愛好者も多く、古史古伝の中でも信奉者の多いジャンルです。
※なお、一般学術界では真作史料としては扱われていません。
伝承的資料・思想史的資料の一種として扱うのが基本です。
■ホツマツタエの特徴
| 主要ポイント | 解説 |
|---|---|
| ヲシテ文字で記述 | 一般の漢字古文ではなく、記号体系を持つ独自文字 |
| 五七韻律の叙事風 | 歌として朗唱する前提で書かれている |
| 神話は政治史体系的 | 神々の役職、制度、統治運営が非常に細かい |
| 記紀にない視点が多数 | 天照大神は男性と記述する系統など、多くの相違 |
“神の物語”ではなく神々の政治史としての色合いが強いのが最大のポイントです。
■物語構成の一例(概略)
- 造化三神の出現
- 国土の成立
- 神々による統治の成立
- 祭祀制度・律令の原型となる規範の創設
- 日本列島の統治と皇統の継承
この「統治」が細かく、人物相関・組織運営の視点が極めて豊富なため、
「神話+政治学」という独特の読書体験があります。
■ヲシテ文字の価値と魅力
ヲシテは独自文字体系でありながら音仮名ではなく意味も含む記号体系があると考える研究者もいるため、
古代日本語論、言語思想史、民俗・神道研究の一部では「思想資料」としての研究対象にもなっています。
■現在の扱いと現代文化での存在感
ホツマツタエはYouTube、古神道界隈、古史界隈では最も引用数が多い古史古伝の一つであり
「記紀の裏側にあるもう一つの古代史」
として語られ続けています。
史実的検証よりも、
日本の神話思考の可能性・別視点の創造力としての魅力を味わう書です。
■まとめ
ホツマツタエは
- 記紀とは別の文字
- 別の叙事方式
- 別の視点で整理された神話体系
を持つ、日本神話の“もう一つの視界”です。
古代史愛好家や神社研究者にとっては、
「記紀の輪郭をより立体化させるための補助資料」として読む人も多く、
古史古伝の世界の中でも特に深い魅力を持ち続けている書物と言えます。

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