【神社めぐり】伊勢神宮の祭事と式年遷宮―日本最高峰の神祭りが続く場所―


■伊勢神宮は“祈りが中心にある神社”

伊勢神宮は、三重県伊勢市に鎮座する、日本を代表する神社であり、天照大御神を祀る内宮、豊受大御神を祀る外宮を中心に 125社から成る壮大な神社群です。

その本質は「国家の安泰と国民の幸福を祈り続ける場所」。
伊勢神宮は観光ではなく祈りの神社であり、その象徴が日本最高峰の祭祀 ritual です。


■伊勢神宮の祭事と年間リズム

伊勢神宮では年間約1,500回以上ものお祭り(神事)が行われています。
代表的なものをいくつか例示すると…

祭事内容
月次祭(つきなみさい)6月・12月。国家・国民の平安を祈る
神嘗祭(かんなめさい)10月。天照大御神へ新穀を奉る、伊勢神宮において最大クラスの祭
祈年祭(きねんさい)2月。五穀豊穣・産業隆昌を祈る
風日祈祭(かぜひのみさい)5月・8月。風水害から守るための古来からの祈り

伊勢神宮の祈りの根底には 稲作・五穀の恵みに対して神へ感謝する精神が通底しています。


■式年遷宮(しきねんせんぐう)とは

伊勢神宮の象徴といえば 式年遷宮

20年ごとに社殿を新造し、御神体を新殿へ遷す大祭で、1300年以上続く日本無二の神事です。
(直近は平成25年 / 次回は令和45年予定)

式年遷宮は、「永遠」を維持する方法として、古いものを新たに作り替えて継承する理念が中心にあります。

建物の更新だけでなく、神宝・装束、宝物すべてが新調されます。
これは「常若(とこわか)」と呼ばれる伊勢神道の思想

永遠とは、常に新しくし続けること

を体現した祭儀です。


■式年遷宮は日本文化にも影響を与えた

  • 宮大工の技法
  • 樹木資源管理(遷宮用の御杣山の育成)
  • 伝統工芸(御神宝を作る職人技)

式年遷宮は神社儀式であると同時に
日本の文化技術そのものを継承するシステムとも言えます。

伊勢の式年遷宮が続くことは、日本文化が常若であり続ける、ということなのです。


■まとめ

伊勢神宮は「祈りが今も息づく場所」。
その中心にある祭事は、日常の中で神を感じる日本人の感性を最も純粋な形で伝えています。

式年遷宮はその象徴として
変わらないものを、変え続けることで守るという日本独自の思想を今に伝える歴史的神事。

伊勢を訪れると「神社とは祈りそのものだ」という原点を思い出すことができる場所です。

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