伊勢神宮の内宮境内から離れ、三重県大紀町の深い森の中に静かに鎮座している別宮が 「瀧原宮(たきはらのみや)」 です。
かつて「元伊勢」と呼ばれた伝承もあるほど神聖視されており、伊勢神宮の別宮の中でも特に“清浄さ”と“奥深い霊性”を感じる場所として有名です。
◆御祭神
- 天照大御神御魂
瀧原宮は、天照大御神の御魂をお祀りする別宮です。
内宮の分宮と言ってもよい存在で、古代よりこの滝原の地は天照大御神が鎮まるに相応しい神聖な場所として選ばれてきました。
境内には瀧原宮・瀧原竝宮の二宮があり、両宮とも天照大御神御魂を祀っています。
◆由緒と背景
『倭姫命世記』にも登場するほど古く、倭姫命が天照大御神の鎮座地を探し巡行された際、この滝原の地にも天照大御神が祀られたと伝えられています。
その後、最終的に伊勢・五十鈴川のほとりに本宮が定められますが、滝原の地も極めて重要な候補地として位置づけられたことから「元伊勢」と呼ばれる所以となっています。
現在でも「伊勢の中の別格」として、深い信仰が息づく別宮のひとつです。
◆ご利益
天照大御神御魂を祀ることから、
- 大いなる守護
- 心願成就
- 道が開ける導き
- 浄化・厄祓い
- 心身の清め
といったご利益が伝えられています。
内宮正宮の“静”とはまた異なり、
森の奥で特に強く「清浄」と「再生」の力を感じられるのが瀧原宮の特徴です。
◆参拝のポイント・雰囲気
瀧原宮は、手つかずの深い森に続く参道がとても印象的です。
樹木が高く立ち並び、森の気と川の水音が織りなす空気は、内宮とはまた違う「原初の神域」のような雰囲気があります。
瀧原宮と瀧原竝宮の二宮を忘れずに参拝すること。
特に瀧原竝宮は見逃されがちですが、こちらも天照大御神御魂であり、両宮を揃えて拝することでこの土地の神性がより明確に感じられます。
伊勢神宮の参拝の中で「心の深いところまで清められる感覚」を求めるなら、
この瀧原宮は確実に訪れる価値があります。
賑わいから離れた“本来の神域”をぜひ体験してみてください。


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