〜風の神に祈りを捧げる、内宮の奥にある別宮〜
伊勢神宮 内宮の境内には、天照大御神をお祀りする正宮以外にも、重要な御役目を担う別宮がいくつか存在します。
その一つが、五十鈴川にかかる美しい 風日祈宮橋 を渡った先に鎮まる別宮 「風日祈宮(かざひのみのみや)」 です。
◆御祭神
- 級長津彦命(しなつひこのみこと)
- 級長戸辺命(しなとべのみこと)
どちらも 風の神 とされています。
特に「級長津彦命」は国土に風をもたらす力を司り、「級長戸辺命」はそれを補佐し、風の流れ・方向・調整を担う神と伝わります。
◆由緒と背景
風日祈宮は、五穀豊穣を願う上で極めて大切な役割を担った別宮です。
風は雨を運び、雲を動かし、稲や作物の成長に大きな影響を与える存在。
一方で強い風、暴風、台風は農作物を破壊し災害を引き起こす要因でもあります。
古代の日本において、
「風の働きを調整し、豊穣を守る」
という祈りは、国家にとって極めて重要な祈りでした。
風日祈宮は、その中心的な祈りの場所の一つだったのです。
◆ご利益
風の神は「流れ」「調整」「巡り」を司ります。
- 仕事や運気の流れが良くなる
- 物事の滞りを無くしスムーズに進む
- 厄や悪い気を吹き払う浄化
- 五穀豊穣・商売繁盛
- 方向性・進むべき道の調整
伊勢参拝の中でも「運の流れを整える」「風通しをよくする」
というご利益を求める人に特に人気がある別宮です。
◆参拝ポイント
内宮正宮から離れた静かな森の奥に位置し、途中で渡る 風日祈宮橋 がまた美しい。
五十鈴川の清らかな水、木々を抜ける風、鳥の声、
全てが「風日祈宮」という名を象徴するような心地よさを感じさせてくれる神域です。
正宮参拝の後に立ち寄ると、
気持ちがふっと軽くなり、空気が変わる感覚を得る参拝者も多い場所。
伊勢神宮を訪れる際には、ぜひこの別宮にも足を運び、
自分の人生の“風向き”が良い方向へ吹き始めるよう祈りを捧げてみてください。


コメント