【神社めぐり】伊雑宮(いざわのみや)|伊勢神宮の“秘められた別宮”と呼ばれた聖地

三重県志摩市磯部町に鎮座する「伊雑宮(いざわのみや)」は、伊勢神宮 内宮の別宮のひとつでありながら、古来より“隠れた聖地”とも呼ばれ、独自の信仰と文化を育んできた神宮の中でも非常に特異な存在です。伊勢志摩に足を運ぶなら、ぜひ訪れておきたい深い歴史と神秘が残る社です。


■御祭神

天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)

内宮と同じ天照大御神を祀りますが、伊雑宮に祀られるのは「御魂(みたま)」である点が特徴です。

=内宮の「本宮の働き」とは別の、霊的側面(御魂)を祀る宮=
というところが、この別宮の独自性と存在意義の深さを感じさせる部分です。


■由緒・歴史

由緒は極めて古く、古くは平安期の文献にも記述が見られます。また中世以降、この伊雑宮の勢力は独特の広がりを見せ、この志摩の地域を中心に「伊雑宮こそが真の伊勢神宮である」と唱える“伊雑神道論”が成立したほど。

これが後世多くの議論を生み、江戸期に至るまで宗教史研究の重要テーマになりました。

また、伊雑宮の周囲には“御園(みその)”と呼ばれる神田が現存し、毎年行われる「御田植祭(おたうえまつり)」は国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
神宮と稲作文化との繋がりを肌で感じられる場所です。


■ご利益

・強い心願成就
・物事を動かす底力
・本質をより確固なものにする
・生命力の再生・再起
・仕事・人生の軸の安定

“御魂”を祀る宮であることから、願いを根元レベルで整え、霊的なチューニングを行うような印象のご利益が伝えられています。
人生の方向性を強めたい時や、迷いを断ちたい時に参拝したい宮。


■アクセスと参拝のポイント

志摩市の静かな町の中に鎮座しており、内宮からやや距離があります。
伊勢参りの「二日目」に訪れるルートとしても人気。

鳥居をくぐってから現れる凛とした静寂、杉の木立…
“本宮とは違う種類の伊勢”を体感できます。

また、すぐ近くの「伊雜宮神田」もぜひセットで。
神宮の稲作文化の原像を体感できます。


まとめ

伊雑宮は内宮別宮の中でも、特に土地独自の文化と霊性が色濃く残る特別な場所です。天照大御神の「御魂」を祀る宮として、心の根源を整える力をいただけると伝えられています。

伊勢神宮参拝をより深くするためには、
この伊雑宮は欠かしてはいけない“深層レイヤー”のポイント。

志摩に足を運ぶ際には、ぜひ訪れて、その静謐な空気を体感してみてください。

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