【神社めぐり】伊勢神宮・外宮別宮 月夜見宮 〜月と夜を司る神の社〜

三重県伊勢市に鎮座する**伊勢神宮・外宮(豊受大神宮)**の別宮のひとつ、月夜見宮(つきよみのみや)
外宮四別宮(多賀宮・土宮・風宮・月夜見宮)の中で、**月の神・月夜見尊(つきよみのみこと)**を祀る社として知られています。

夜空の神秘を象徴する神社として、古代から人々の信仰を集め、今も静寂と神秘に包まれた神域を保っています。


■ 月夜見宮とは

月夜見宮は、外宮の西側に位置する別宮で、月を司る神を祀る社です。
御祭神は以下の通りです。

  • 月夜見尊(つきよみのみこと)

月夜見尊は、古事記・日本書紀に登場する神で、夜の静寂・月・時間・暦を司る神とされています。
また、夜の安全や航海の守護、農作物の夜間成長を見守る存在として信仰されてきました。


■ 創建と由緒

月夜見宮の創建は、外宮の別宮として古代より存在したと伝わります。
豊受大神宮が鎮座する土地の神々と調和するために設けられ、
外宮四別宮の中で夜や月に関する信仰の中心として位置づけられています。

古来より、月夜見尊は夜の守護神・農作物の管理者・旅人の安全神としても重要視され、
外宮を訪れる人々は昼間の祈りの後に月夜見宮へ参拝することで、神々の加護を一層深く受けるとされます。


■ 月夜見宮のご神徳

月夜見宮でいただける主なご利益は以下の通りです。

  • 夜の安全・交通安全・旅の守護
  • 農業の守護・夜間成長の加護
  • 静寂と安寧・心の平穏
  • 時間や暦に関わる吉運

古代から人々は、夜間の暗闇や自然現象に畏敬の念を抱き、
月夜見宮に参拝することで自然のリズムや生活の安全を祈願してきました。


■ 社殿と境内の特徴

月夜見宮の社殿も、他の外宮別宮と同様に**唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)**で、
白木の素朴な美しさが森の中に静かに佇みます。

周囲には自然の木々が生い茂り、昼間でもひんやりとした静けさを感じられます。
夜には月明かりの下で参拝することができるため、神秘的な雰囲気を体感できる数少ない場所でもあります。


■ 参拝の作法と順序

外宮参拝の際、別宮の巡り方の基本は以下の通りです。

  1. 外宮正宮(豊受大神宮本殿)
  2. 多賀宮(豊受大神荒御魂)
  3. 土宮(大土乃御祖神)
  4. 風宮(級長津彦命・級長戸辺命)
  5. 月夜見宮(つきよみのみこと)

月夜見宮は外宮別宮の中でも西側に位置するため、参拝の締めとして訪れると良いとされています。
夜や月の神を祀る社として、静けさの中で心を整える最後の参拝場所と位置づけられています。


■ 祭礼と神事

  • 月次祭(つきなみさい):毎月の祭典で、月夜見尊への感謝と祈願を捧げる祭り。
  • 風日祈祭(かざひのみのまつり):外宮全体の祭典の一部として、月夜見宮も参加。
  • その他夜祭・特別祈祷:月夜見尊の神徳を受ける特別な祈願も行われます。

■ アクセス情報

  • 所在地:三重県伊勢市豊川町(外宮境内西側)
  • 交通アクセス
    • JR・近鉄「伊勢市駅」から徒歩約10分
    • 外宮正宮・他の別宮を巡った後に徒歩5〜10分
  • 拝観時間:5:00〜18:00(季節により変動)
  • 拝観料:無料

■ まとめ ― 夜と月の神秘に触れる社

外宮別宮・月夜見宮は、月の神・夜の守護神を祀る静謐な社です。
昼間でも落ち着いた空間で、自然と神々の存在を感じられる場所ですが、
夜の参拝や月光の下での訪問は、さらに深い神秘体験となります。

外宮参拝の際には、正宮から多賀宮・土宮・風宮を巡り、最後に月夜見宮で締めることで、
豊受大神の加護と月夜見尊の守護の両方をいただくことができます。

月明かりの中、静かに祈りを捧げるひとときは、心の安寧と生活の平穏を願う最高の時間となるでしょう。

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