【神社めぐり】名和神社 — 征夷大将軍・名和長年を祀る、隠岐脱出の忠義を伝える社

所在地:鳥取県西伯郡大山町名和

鳥取県大山町に鎮座する 名和神社(なわじんじゃ) は、
鎌倉末期〜南北朝期の武将 名和長年(なわ ながとし) を主祭神とする神社です。

鎌倉幕府の追討を逃れるため隠岐を脱出した 後醍醐天皇を命がけで救援した功績 により、
後に「名和長年公を祀る神社」として創建されました。

「忠義」「守護」「武運長久」のご利益を求めて参拝する人も多く、
大山の麓に静かに佇む、歴史ロマンに満ちた神社です。


■ 名和長年とは?

名和神社を語る上で欠かせないのが、祭神である 名和長年公 の生涯です。

● 後醍醐天皇を救った忠臣

  • 鎌倉幕府により隠岐へ流された後醍醐天皇
  • 1333年、天皇は脱出し伯耆国の名和荘(現在の大山町)へ辿り着く
  • このとき最初に受け入れ、全面的に支援したのが名和長年

のちに天皇は全国の武士に討幕の令を発し、
名和長年もまた 伯耆勢の中心として挙兵し、六波羅探題を攻め落とす戦いで活躍

こうした忠義の功績から、
後醍醐天皇の建武政権のもとで 名和長年は従一位・左大臣格 にまで昇格しました。

その忠義を称え、江戸期以降「名将の社」として篤く祀られるようになります。


■ 名和神社の創建と歴史

現在の名和神社は、明治維新後の 建武中興を記念する社として創建 されました。

● 創建の背景

  • 明治政府は、後醍醐天皇の理想とした政体「建武の中興」を重んじた
  • そのため、功績ある忠臣の神社が多数創建された
  • 名和神社もその一社として 明治7年(1874年) に創建

さらに境内には、名和一族の歴史を後世に伝える資料館「名和公史料館」や
長年公の墓所「名和御陵」もあり、神社とともに史跡めぐりが楽しめます。


■ 御祭神

  • 名和長年公(なわ ながとし こう)

● 合祀神

地域の名和家関係の先祖神も祀られています。


■ ご利益

名和長年の忠義と武勇にちなみ、特に以下のご利益で知られます。

  • 勝負運・武運長久
  • 仕事・勉学の成功祈願
  • 正義を貫く力
  • 守護・厄除

忠義の武将を祀るため、
「ここぞという時の支えがほしい」「ぶれない心で前に進みたい」
という人の参拝が多いのも特徴です。


■ 名和神社・境内の見どころ

● ① 社殿(拝殿・本殿)

明治期の落ち着いた神社建築で、凛とした雰囲気が漂います。
正面の社殿は清潔感があり、山の緑と調和して美しい景観をつくります。

● ② 名和御陵(名和長年の墓)

境内のすぐ近くにある長年公の墓は、国指定史跡。
石段を登ると厳かな雰囲気が漂い、歴史の重みを感じられます。

● ③ 名和公史料館

長年公ゆかりの資料を展示。
建武の新政の舞台裏や、名和一族の歴史を詳しく知ることができます。

● ④ 隠岐からの脱出を示す史跡群

「後醍醐天皇御駐輦之地」などの周辺史跡とともに巡ると、
歴史ロマンあふれる旅コースになります。


■ 周辺観光と合わせて楽しむ

名和神社の周辺には、大山町ならではの景勝地が多くあります。

  • 大山(だいせん) … 登山・自然体験が人気
  • 淀江の名水・湧水スポット
  • 米子市の城下町・史跡巡り

歴史と自然をまとめて楽しめるエリアです。


■ アクセス

所在地:鳥取県西伯郡大山町名和

  • JR名和駅から徒歩約10分
  • 米子自動車道「大山IC」から車で約15分
  • 米子市中心部から車で約20〜30分

駐車場も整備され、参拝しやすい神社です。


■ まとめ

名和神社は、
後醍醐天皇を救い、建武の中興に尽くした名和長年公を祀る神社 です。

忠義と武勇の象徴として今も厚く信仰され、
周囲には名和家の史跡が点在するため、
歴史散策としても非常に魅力のあるスポットです。

大山の自然と歴史を同時に味わえる神社として、
鳥取県を訪れるならぜひ立ち寄りたい一社です。

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