【神社めぐり】小御門神社 ― 建武の中興を支えた忠臣・藤原師賢を祀る下総の古社

所在地:千葉県成田市名古屋

千葉県成田市、のどかな田園地帯に佇む 小御門神社(こみかどじんじゃ)
この神社は、南北朝期に後醍醐天皇を支えた忠臣 藤原師賢(ふじわら の もろかた)卿 を祀る、
由緒深い“建武中興ゆかりの社”です。

国道51号線から少し入った静かな場所に位置し、
観光地の喧騒とは無縁の、落ち着いた参拝ができる神社として人気です。


■ 小御門神社の歴史

● 創建は明治維新後

名宍父、明治政府は「建武中興の精神」を重視したため、
南北朝期に功績を残した忠臣たちを顕彰する神社が全国的に創建されました。

小御門神社もそのひとつで、
藤原師賢卿を祀るため明治8年(1875年) に創建されました。

● 藤原師賢卿とは

  • 後醍醐天皇に近侍し、建武政権を支えた宮廷公家
  • 北畠親房らとともに中興に奔走
  • 南朝側の外交・政治を担った人物
  • 関東へ下向し、戦乱のなか現在の成田市付近で亡くなったと伝わる
  • 明治期に「建武中興十五社」の一つとして顕彰

小御門神社は、師賢卿終焉の地に近く、
その忠義を偲ぶための霊社として建立されたのです。


■ 御祭神

  • 藤原師賢卿(ふじわら の もろかた きょう)

● 合祀神

  • 建武中興にゆかりのある南朝方の忠臣たち
    (地域によって名称が掲げられることもある)

■ ご利益

藤原師賢の忠義と知略にちなみ、主に以下のご利益で知られます。

  • 学業成就(文官の神として)
  • 受験・資格試験合格
  • 仕事運・出世運
  • 決断力向上
  • 家内安全

公家であり政治官僚でもあった師賢卿を祀るため、
「学び」「知恵」「判断力」に関する祈願が特に人気です。


■ 境内の見どころ

● ① 清潔感ある社殿

白と木の色が美しく調和する拝殿は端正で静かな雰囲気。
都市部の神社にはない、素朴で落ち着いた魅力が漂います。

● ② 小御門神社碑と解説板

建武中興にまつわる歴史資料が丁寧に展示されており、
南北朝時代の背景を知れば参拝の深みが増します。

● ③ 杉木立の参道

駐車場から拝殿へ続く参道は森林に包まれ、
「まさに日本の田舎の社」という心地よい空気が流れています。

● ④ 神池と自然

境内には池や林があり、季節の鳥や植物が参拝者を迎えてくれます。
特に春の新緑と秋の紅葉が美しい神社です。


■ 年中行事

  • 1月:歳旦祭
  • 2月:祈年祭
  • 10月:例祭

地域に根ざした、素朴で温かい神事が行われています。


■ アクセス

所在地:千葉県成田市名古屋898

  • JR・京成「成田駅」から車で約20分
  • 東関東自動車道「成田IC」から車で約15分
  • 駐車場あり

公共交通機関では少しアクセスしにくいため、
車での参拝がおすすめです。


■ まとめ

小御門神社は、
後醍醐天皇を支えた忠臣・藤原師賢卿を祀る、静かな歴史の社。

南北朝というやや難しい時代の背景を、
わかりやすく形に残している貴重な存在で、
学問や仕事の成功を祈る参拝者からも厚く信仰されています。

観光地らしい華やかさはありませんが、
静けさの中に深い歴史が眠る“下総の隠れ名社” です。

成田空港や成田山新勝寺からも近いため、
歴史好きの方にはぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました