所在地:三重県津市藤方
三重県津市、閑静な住宅地の一角に佇む 結城神社(ゆうきじんじゃ)。
ここは、南北朝時代に後醍醐天皇に尽くした名将 結城宗広(むねひろ) を祀る神社で、
「建武中興十五社」のひとつとして全国的にも重要な位置づけを持ちます。
春には境内に梅の花が咲き誇り、
「結城神社の梅まつり」は津市を代表する季節イベントとしても広く親しまれています。
■ 結城神社の歴史
● 創建は明治維新後
明治政府が「建武の中興」を顕彰するために設けた十五の神社のひとつが結城神社です。
当地は、結城宗広にゆかりの地とされ、
明治22年(1889年) に創建されました。
● 結城宗広とは
結城宗広は、鎌倉幕府滅亡から南北朝にかけて活躍した武将です。
- 鎌倉幕府の有力御家人・結城氏の当主
- 後醍醐天皇の綸旨に応じ挙兵
- 足利尊氏と対立しながら南朝方として奮戦
- 忠義の武将として名を残す
政治よりも“義理と恩義”を重んじる人物として描かれ、
歴史的にも評価が高い武将です。
明治維新後、その忠節に光が当たり、
結城神社として顕彰されるようになりました。
■ 御祭神
- 結城宗広公(ゆうき むねひろ こう)
● ご利益
宗広公の忠義・誠実さ・武勇にちなみ、
- 勝負運・武運長久
- 仕事運・出世運
- 家内安全
- 困難に立ち向かう力
- 心願成就
特に「ここ一番を乗り越えたい」という願いに強いとされ、
受験生やビジネスマンからの支持も高い神社です。
■ 結城神社の見どころ
● ① 春を告げる「梅園」
結城神社の最大の魅力が、約300本とも言われる梅の木。
白梅・紅梅・しだれ梅が咲き誇り、
特に2月中旬〜3月上旬には多くの参拝者が訪れます。
「梅まつり」では、屋台や茶席も設けられ、
津市の春を象徴するイベントとなっています。
● ② 落ち着いた雰囲気の社殿
明治期の神社として端正で美しい造り。
本殿・拝殿ともに静かで心落ち着く雰囲気があります。
● ③ 結城宗広公の像・関連資料
境内には宗広公をたたえる石碑や資料があり、
建武中興と南北朝時代の歴史背景を知る手がかりになります。
● ④ 鳥居から続く清らかな参道
住宅地にあるとは思えないほど緑が豊かで、
朝の光が差す時間帯は特に美しい景観に包まれます。
■ 年中行事
- 2月〜3月:梅まつり
- 5月:春季例大祭
- 10月:秋季例大祭
とくに梅まつりの時期は境内が華やぎ、写真撮影にも最適です。
■ アクセス
所在地:三重県津市藤方1547
- JR・近鉄「津駅」より車で約10分
- 三交バス「藤方」バス停より徒歩約5分
- 伊勢自動車道「津IC」から車で約15分
駐車場が整備されているため、車での参拝が便利です。
■ まとめ
結城神社は、
後醍醐天皇への忠義に生きた武将・結城宗広を祀る歴史の社。
春には梅の香りが境内を包み、
歴史的価値と自然の美しさを同時に楽しめる場所です。
南北朝の武将を祀る神社としては珍しく、
観光地化しすぎていない落ち着いた雰囲気が魅力。
三重県津市を訪れる際は、
ぜひ梅の季節に結城神社へ足を運び、
宗広公の忠義に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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