赤ちゃんの誕生から約100日目に行う伝統行事「お食い初め(おくいぞめ)」。
「一生食べ物に困らないように」という願いが込められた、親から子への温かい祈りの儀式です。
「何を準備すればいい?」「どんな料理を並べる?」「神社でもできる?」
という疑問に答えながら、この記事ではお食い初めの由来から本来の意味、家庭でのやり方、神社で祈祷を受けるケースまで詳しく解説します。
■ お食い初め(百日祝い)とは
お食い初めは、赤ちゃんが一生食べ物に困らず、健やかに育つように願う儀式です。
平安時代にはすでに行われていたと言われる、長い歴史を持った伝統行事。
名前の通り、生後100日頃に行われることが多いため「百日祝い」とも呼ばれます。
実際に赤ちゃんが食べるわけではなく、
「食べる真似」をさせて将来の幸せを祈る儀式
である点が特徴です。
■ お食い初めはいつ行う?
一般的な時期は以下のとおりです。
- 生後100日前後
(男の子:生後100日、女の子:生後110日とする地域もある)
ただし現代では
- 家族の都合
- 休日
- 体調
を優先し、生後90〜120日の間で自由に設定する家庭が多いです。
■ どこで行う?家庭?神社?
● 家庭で行うのが一般的
和食膳を準備し、家族で赤ちゃんの成長を祝います。
● 神社で祈祷を受ける家庭も増えている
最近は、
- 初宮参りと合わせて
- お食い初め膳の提供がある神社
- 本殿や会場を貸し出す神社
もあります。
意味としては、
「神様に成長を感謝し、これからの食と健康を祈る」
という自然な流れです。
■ お食い初めの基本セット(祝い膳)
お食い初めは、以下の**「一汁三菜」**が基本となります。
◆ 祝い膳の内容
| 料理 | 意味 |
|---|---|
| 赤飯 | 祝い事の定番。健やかな人生を願う。 |
| 焼き鯛 | めでたい(鯛=おめでたい)に通じ、縁起が良い。 |
| 吸い物 | 清らかな心を持って成長するように。 |
| 煮物(たけのこ・にんじん・しいたけ等) | 子どもの人生が豊かに育つように。 |
| 香の物 | 口を清め、健やかな食生活を象徴。 |
地域によっては
・歯固め石
・蛤のお吸い物
などが加わる場合もあります。
■ 儀式のやり方(基本の流れ)
お食い初めでは、大人が赤ちゃんに「食べさせる真似」を順番に行います。
もっとも重要なポイントは、赤ちゃんに食べ物は与えないこと。
◆ 基本の順番(一般的な例)
- 赤飯
- 吸い物
- 煮物
- 焼き魚
- ごはん
→ この流れを 三回 繰り返す。
順番は地域によって違いがありますが、厳密である必要はありません。
■ 「歯固めの儀」について
お食い初めの中でも有名な儀式が 「歯固め」 です。
● 歯固め石
- 神社の境内で拾った石を洗って用意
- 「丈夫な歯が生えますように」という願いを込めて行う
- 石に軽く箸を触れさせ、その箸を赤ちゃんの口元に当てる(食べさせない)
最近では、
神社が「歯固め石」を授与してくれる場合もあります。
■ 誰が食べさせる役を担当する?
伝統的には、
赤ちゃんと同性の年長者
(祖父母など)が担当すると良いとされています。
ただし現代では、
- パパが担当
- ママが担当
- 家族みんなで順番に
など、自由なスタイルでOKです。
■ 服装はどうする?
● 赤ちゃん
- ベビードレス
- 和風のセレモニー服
- 普段着でも問題なし(赤ちゃんの快適さが最優先)
● 家族
- きれいめのカジュアル
- 記念写真を撮るなら落ち着いた色がおすすめ
神社で祈祷を受ける場合は、少しフォーマルにすると雰囲気に合います。
■ お食い初めの由来
お食い初めは、中国の儀式が平安時代に日本へ伝わり、それが宮中儀式として定着し民間にも広まったとされます。
本来の意味は
「赤ちゃんが無事に成長し、生きていくための力(食)を授かることを祈る儀式」
であり、精神文化的にも非常に大切な節目です。
■ お食い初めのポイント(準備のコツ)
- 食べさせる真似だけでOK
- 写真撮影のタイミングを決めておく
- 赤ちゃんの体調を最優先
- 実家の協力があるとスムーズ
- 料理は自作でも購入でもOK
特に赤ちゃんが泣いた場合は、無理をせず短時間で済ませるのがコツです。
■ まとめ
お食い初めは、
「これからの人生で食に困らないように」
という願いを込めた、親から子への最初のお祝い事。
儀式の形式は家庭によってさまざまですが、最も大切なのは
“赤ちゃんを想う気持ち”
です。
家庭で行うのはもちろん、
初宮参りと合わせて神社で祈祷を受けると、より節目がはっきりし、家族にとって特別な1日となります。
赤ちゃんの健やかな成長を願いながら、あたたかい百日祝いの時間を過ごされますように。


コメント