日本全国には多くの城がありますが、その中でも江戸時代以前に建てられ、戦災や解体を免れて現在まで残る天守は、わずか 12城しか存在しません。
これらは「現存天守」と呼ばれ、日本の城郭文化を語るうえで最重要の存在です。
本記事では、
- 現存12天守の一覧表
- 各天守の歴史・特徴・見どころ
- 城郭史の流れの中での位置づけ
を丁寧に解説しながら、【お城めぐり】としてまとめていきます。
■ 現存天守とは何か?
◇ 現存天守の定義
「現存天守」とは、
- 江戸時代以前(概ね1600年代)に建築
- 解体・再建・復元ではない
- 当時の建物が現代まで残存
という条件を満たす天守を指します。
明治の廃城令(はいじょうれい)、太平洋戦争の空襲、戦後の都市開発などにより、
多くの天守が失われた中、奇跡的に残ったのが以下の12城です。
■ 現存12天守 一覧表
| No | 城名 | 所在地 | 築城年代(天守) | 天守形式 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 弘前城 | 青森県弘前市 | 1810年 | 独立式層塔型 | |
| 2 | 松本城 | 長野県松本市 | 1594年頃 | 連結複合式 | 国宝 |
| 3 | 丸岡城 | 福井県坂井市 | 1576年 | 独立式望楼型 | |
| 4 | 犬山城 | 愛知県犬山市 | 1537年 | 独立式望楼型 | 国宝 |
| 5 | 彦根城 | 滋賀県彦根市 | 1606年 | 連結式層塔型 | 国宝 |
| 6 | 姫路城 | 兵庫県姫路市 | 1609年 | 連結式層塔型 | 国宝、 世界遺産 |
| 7 | 松江城 | 島根県松江市 | 1611年 | 独立式望楼型 | 国宝 |
| 8 | 備中松山城 | 岡山県高梁市 | 1683年 | 独立式層塔型 | |
| 9 | 丸亀城 | 香川県丸亀市 | 1660年 | 独立式層塔型 | |
| 10 | 伊予松山城 | 愛媛県松山市 | 1854年 | 連立式層塔型 | |
| 11 | 宇和島城 | 愛媛県宇和島市 | 1666年 | 独立式層塔型 | |
| 12 | 高知城 | 高知県高知市 | 1749年 | 独立式層塔型 |
■ 各城の詳しい解説
◆ 弘前城(青森県)
- 日本最北の現存天守
- 津軽為信・信牧による津軽藩の居城
- 天守は元々三重でしたが落雷で焼失し、現在の天守は1810年再建
👉 桜の名所としても全国的に有名
👉 防御性よりも藩政の象徴としての性格が強い
◆ 松本城(長野県)
- 別名「烏城(からすじょう)」
- 黒漆塗りの外観が特徴
- 戦国期の実戦的城郭としての要素が色濃い
👉 鉄砲狭間・石落としが多数
👉 天守群が連結する複雑な構造
◆ 丸岡城(福井県)
- 現存天守の中で最古級
- 天守が低く、屋根が石瓦という独特の姿
👉 「霞ヶ城」の別名
👉 北陸の厳しい気候に対応した構造
◆ 犬山城(愛知県)
- 木曽川沿いの断崖に建つ美しい城
- かつては個人所有の城として知られた
👉 天守最上階は露台風
👉 織田信長の叔父・織田信康が築城
◆ 彦根城(滋賀県)
- 井伊直政の功績により築城
- 天守・櫓・門がほぼ完全な形で現存
👉 国宝指定
👉 ひこにゃんでも有名
◆ 姫路城(兵庫県)
- 世界遺産・国宝
- 日本城郭建築の最高傑作
👉 白漆喰総塗籠造
👉 迷路のような登城ルート
◆ 松江城(島根県)
- 堀尾吉晴が築城
- 2015年に国宝指定
👉 望楼型天守の完成形
👉 宍道湖と城下町の一体感
◆ 備中松山城(岡山県)
- 日本一高所にある現存天守
- 山城としての防御性が極めて高い
👉 雲海に浮かぶ姿が幻想的
👉 城郭ファン憧れの名城
◆ 丸亀城(香川県)
- 高石垣が見事
- 小規模ながら構造は本格派
👉 石垣の城として必見
👉 天守は三重三階
◆ 伊予松山城(愛媛県)
- 山城+平山城の性格
- 天守・櫓・門が多数現存
👉 城郭全体の保存状態が極めて良好
👉 ロープウェイで登城可能
◆ 宇和島城(愛媛県)
- 伊達政宗の長男・秀宗が藩主
- 海城の名残を残す
👉 藩主居館跡も残る
👉 城下町との距離が近い
◆ 高知城(高知県)
- 天守と本丸御殿が共に現存
- 山内一豊が築城
👉 城主の生活空間が分かる貴重な城
👉 城郭研究的価値が高い
■ 現存天守から見る日本城郭史
現存12天守は、
- 戦国期の実戦城郭
- 江戸初期の権威の象徴
- 江戸後期の藩政安定期
という時代の変遷を立体的に体感できる存在です。
復元天守では得られない、
- 木材の風化
- 階段の急勾配
- 梁や柱の歪み
これらこそが「本物の城」が持つ歴史の重みと言えるでしょう。
■ おわりに|現存天守めぐりの楽しみ方
現存12天守は、日本全国に点在しています。
一城一城に異なる背景と個性があり、巡るほどに城の奥深さが増していきます。


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