参拝に行く前に

前回の物語で、須佐之男命（スサノオノミコト）は出雲の地に降り立ち、その子孫こそが、地上世界「葦原中国（あしはらのなかつくに）」を治める英雄神、**大国主神（オオクニヌシノカミ）**です。 オオクニヌシは多くの試練を乗り越え、荒々しか...

前回の「国生み神話」で、妻イザナミを失ったイザナキノカミは、生と死の世界の境（黄泉比良坂）で永遠の別れを告げました。 この深い悲しみと穢れを祓うためにイザナキが行った「禊ぎ（みそぎ）」の儀式から、日本の神話における最も重要な三柱の神...

『古事記』上巻の冒頭には、日本の国土と神々がどのようにして誕生したのか、その根源的な物語が描かれています。それは、すべてが混沌とした状態から始まり、やがて一組の夫婦神が壮絶な体験を経て日本列島を創り上げていく、壮大な創造神話です。 ...

『日本書紀（にほんしょき、または、やまとふみ）』は、西暦720年に完成した、**日本で最初に国家が編纂した公式の歴史書（正史）**です。 『古事記』の完成からわずか8年後に成立したこの書物は、『古事記』とは異なる目的とスタイルを持ち...

■ はじめに 日本神話の中で「海」を司る神々といえば、住吉三神や綿津見三神などが有名ですが、その中でも特に重要な役割を果たすのが「鹽土老翁神（しおつちのおじ）」です。 この神は、海路を知り、神々や英雄たちを導いた“海の...

■ はじめに 「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」この言葉で知られる徳川家康。戦国の世を終わらせ、江戸幕府を開いた家康は、死後「神」として祀られるという稀有な存在となりました。本記事では、彼がどのようにして神格化され、全...

〜民のかまどの煙を見つめた慈愛の帝〜 ■ 仁徳天皇とは 仁徳天皇（にんとくてんのう）は、日本第16代の天皇であり、「聖帝（ひじりのみかど）」とも称される、慈悲深く民を思う天皇として伝えられています。 その御代は平...

〜のちの日本武尊（ヤマトタケルノミコト）、悲劇と勇気の若き英雄〜 ■ 小碓命とは 小碓命（おうすのみこと）は、『古事記』や『日本書紀』に登場する日本神話の英雄で、後に「日本武尊（やまとたけるのみこと）」として知られる人...

〜天孫降臨の系譜を結ぶ“未完成の屋根の神”〜 ■ 神名の意味 「鸕鶿草葺不合命（うがやふきあえずのみこと）」という名前は、“うがや＝う（鵜）の羽で葺いた屋根”、“ふきあえず＝葺き終わらないうちに”という意味を持ちます。 ...