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【神社めぐり】熱田神宮-徹底解説‼日本三大神宮とよばれる草薙剣をまつる神社(愛知県熱田区)

【神社めぐり】

「熱田神宮(あつたじんぐう)って、なんの神様?」――名古屋の熱田神宮をお参りする前に、いちばん多く聞かれる疑問です。答えをひとことで言うと、主祭神は「熱田大神(あつたのおおかみ)」です。熱田大神は、草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を御霊代とする天照大神(あまてらすおおみかみ)のことです。草薙神剣は三種の神器のひとつで、御霊代(みたましろ)とは神様が宿るもののことです。この記事では、本殿の六柱の神々とご利益、摂社・末社の神々を一覧で紹介します。

熱田神宮は何の神様?30秒でわかるまとめ

読み方熱田神宮(あつたじんぐう)
主祭神熱田大神(あつたのおおかみ)=草薙神剣を御霊代とする天照大神
相殿神(あいどのしん)天照大神・素盞嗚尊・日本武尊・宮簀媛命・建稲種命の五柱
おまつりの由来日本武尊(やまとたけるのみこと)が妃の宮簀媛命(みやすひめのみこと)にあずけた草薙神剣を、宮簀媛命が熱田の地にまつったのが始まりと伝わる
ご利益古くから国家安泰を祈る社として尊ばれてきた。いまは家内安全・無病息災・厄除開運・勝運(必勝祈願)などを願う人が多い
御神木弘法大師のお手植えと伝わる大楠(おおくす)
格式『熱田神宮略記』では「伊勢神宮に亞(つ)ぐ御由緒の尊い大社」とされる。旧社格は官幣大社
摂社・末社別宮の八剣宮(はっけんぐう)、一之御前神社・上知我麻神社・龍神社など。境外に氷上姉子神社・高座結御子神社など

※御祭神と摂社・末社の祭神は、『熱田神宮略記』などを引く百科事典の記述にもとづいています。


熱田神宮の御祭神:主祭神・熱田大神(あつたのおおかみ)とは

熱田神宮の本殿にまつられる主祭神は「熱田大神」です。熱田大神は、草薙神剣を御霊代とする天照大神のこととされます。つまり「剣そのものが神様」というより、剣に宿る天照大神の御神威(ごしんい=神様の力)をおまつりしている、という考え方です。

平安時代以降は、伊勢の皇大神宮(内宮)の天照大御神が草薙神剣の正体である、という考えが広まりました。そのため伊勢と熱田は「一体分身の神」をまつる神社ともいわれてきました。熱田神宮が「伊勢神宮につぐ」と特別に尊ばれてきたのは、このためです。

なお、熱田大神の正体については、日本武尊の神霊とする説など、むかしから別の見方もあります。くわしくは「【神様図鑑】熱田大神とは?」で紹介しています。

草薙神剣が熱田にまつられるまで

  1. 素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したとき、その尾から剣が見つかり、天照大神にささげられる(天叢雲剣)
  2. 東国へ向かう日本武尊が、伊勢で叔母の倭姫命(やまとひめのみこと)からこの剣を授かる。野火にかこまれたとき、剣で草をなぎはらって逃れた。そこから「草薙剣」とよばれるようになったと伝わる
  3. 東征の帰り、日本武尊は尾張で宮簀媛命と結ばれ、剣を宮簀媛命のもとに置いたまま伊吹山へ向かう。その後、病にたおれて亡くなる
  4. 宮簀媛命が剣をまつり、のちに熱田の地をえらんで社を建てた。これが熱田神宮の始まりとされる。創祀は景行天皇43年とされることが多いが、ほかの説もある

熱田神宮の歴史を年表で知りたい方は「熱田神宮の歩んだ歴史を完全解説!」、剣が盗まれかけた事件は「【伝説図鑑】草薙剣盗難事件」もどうぞ。


熱田神宮のご利益

熱田神宮は、国の宝である神剣をまつるお宮です。そのため古くから、国家安泰を祈る社として尊ばれてきました。いまは家内安全・無病息災・厄除開運などを願う人が多く訪れます。

また、織田信長が桶狭間の戦いの前に熱田神宮で必勝祈願をしたと伝わります。そのため勝運の神社としても知られています。勝利のお礼に奉納されたといわれるのが、境内に残る「信長塀(のぶながべい)」です。


熱田神宮の相殿神:本殿にまつられる五柱の神様

本殿には、熱田大神とならんで五柱の神々が相殿神(あいどのしん/あいどのかみ)としてまつられています。どの神様も草薙神剣の物語にかかわる神様だと覚えると、わかりやすくなります。

「天照大神が主祭神にも相殿神にも出てくるのはなぜ?」と思うかもしれません。主祭神の熱田大神は剣に宿る天照大神、相殿の天照大神は神様としての天照大神と分けて考えると、わかりやすいでしょう(公式の説明ではなく、この記事での整理です)。

神様読み方草薙神剣とのかかわり
天照大神あまてらすおおみかみ剣をささげられた神。剣は天照大神の霊代とされる
素盞嗚尊すさのおのみこと八岐大蛇を退治し、その尾から剣を見つけた神
日本武尊やまとたけるのみこと剣をたずさえて東国へ向かった皇子
宮簀媛命みやすひめのみこと日本武尊の妃。剣をあずかり、まつった
建稲種命たけいなだねのみこと宮簀媛命の兄。東征に副将として従った

① 天照大神(あまてらすおおみかみ)

伊勢神宮内宮の御祭神で、皇室の祖先神とされる太陽の女神です。草薙神剣はスサノオから天照大神にささげられ、天孫降臨のときに三種の神器のひとつとして地上へもたらされたと伝わります。くわしくは「【神様図鑑】天照大神」へ。

② 素盞嗚尊(すさのおのみこと)

天照大神の弟神です。出雲で八岐大蛇を退治したとき、大蛇の尾から見つかった剣(天叢雲剣)が、のちの草薙神剣です。熱田神宮の摂社・南新宮社(みなみしんぐうしゃ)にもまつられています。「素戔嗚尊」「須佐之男命」とも書きます。くわしくは「【神様図鑑】素戔嗚尊」へ。

③ 日本武尊(やまとたけるのみこと)

景行天皇の皇子で、西へ東へと遠征した悲劇の英雄です。伊勢で倭姫命から草薙剣を授かり、東国へ向かいました。熱田神宮の始まりの物語の中心にいる神様ですが、主祭神ではなく相殿神である点に注意しましょう。くわしくは「【神様図鑑】日本武尊」へ。

④ 宮簀媛命(みやすひめのみこと)

尾張国造(おわりのくにのみやつこ)の家に生まれた、日本武尊の妃です。日本武尊が亡くなったあとも剣を守りつづけ、熱田の地にまつりました。熱田神宮を開いた女神といえます。境外摂社の氷上姉子神社・松姤社の御祭神でもあります。くわしくは「【神様図鑑】宮簀媛命」へ。

⑤ 建稲種命(たけいなだねのみこと)

宮簀媛命の兄で、尾張氏の一族です。日本武尊の東征に副将として従いました。くわしくは「【神様図鑑】建稲種命」へ。


熱田神宮の摂社・末社に祀られる神々一覧(別宮・御神木も)

熱田神宮の境内には、別宮の八剣宮をはじめ、多くの摂社(せっしゃ=本社とゆかりの深い神をまつる社)と末社(まっしゃ=それ以外の小さな社)があります。主な社と御祭神は次のとおりです。

社の名前種類御祭神
八剣宮(はっけんぐう)別宮本宮と同じ(熱田大神と相殿の神々)
一之御前神社(いちのみさきじんじゃ)摂社天照大神荒魂(あまてらすおおみかみのあらみたま)
日割御子神社(ひさきみこじんじゃ)摂社天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
孫若御子神社(ひこわかみこじんじゃ)摂社天火明命(あめのほあかりのみこと)
南新宮社(みなみしんぐうしゃ)摂社素盞嗚尊(すさのおのみこと)
御田神社(みたじんじゃ)摂社大年神(おおとしのかみ)
上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)摂社乎止與命(おとよのみこと)
下知我麻神社(しもちかまじんじゃ)摂社真敷刀俾命(ましきとべのみこと)
龍神社(りゅうじんじゃ)摂社吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)・大伴武日命(おおとものたけひのみこと)
清水社(しみずしゃ)末社罔象女神(みつはのめのかみ)
楠之御前社(くすのみまえしゃ)末社伊弉諾尊・伊弉册尊(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)

別宮・八剣宮(はっけんぐう)

本宮と同じ神々をまつる、格の高い別宮です。剣をまつる社として、武家の信仰もあつめてきたと伝わります。くわしくは「熱田神宮の別宮「八剣宮」」へ。

一之御前神社・日割御子神社・孫若御子神社

本宮の奥にある一之御前神社は、天照大神の荒魂(あらみたま=神様の力強くはたらく面)をまつる社です(「一之御前神社を訪ねて」)。日割御子神社の天忍穂耳尊は天照大神の御子(「【神様図鑑】天之忍穂耳命」)、孫若御子神社の天火明命はその御子で、尾張氏の祖神とされます(「【神様図鑑】天火明命」)。

上知我麻神社・下知我麻神社

上知我麻神社には尾張国造の祖とされる乎止與命、下知我麻神社にはその妃の真敷刀俾命がまつられています。二柱は宮簀媛命・建稲種命の両親にあたる神様です(「【神様図鑑】乎止與命」「【神様図鑑】真敷刀俾命」)。

龍神社・御田神社・南新宮社

龍神社にまつられる吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)と大伴武日命(おおとものたけひのみこと)は、日本武尊の東征に従った武将です。名前から水の神と思われがちですが、御祭神は二人の武将です。御田神社の大年神は五穀豊穣の神(「【神様図鑑】大年神」)、南新宮社は素盞嗚尊をまつる社です。境内摂社をまとめて見たい方は「熱田神宮の境内摂社8社を紹介」へ。

清水社・楠之御前社と御神木の大楠

清水社には水の神・罔象女神がまつられています(「【伝説図鑑】清水社」「【神様図鑑】罔象女神」)。楠之御前社は、国生みの夫婦神・伊弉諾尊と伊弉册尊をまつる社です。

境内でひときわ目をひくのが、御神木の大楠(おおくす)です。弘法大師(空海)のお手植えと伝わります。樹齢は約1000年ともいわれますが、資料によって数字はことなります。くわしくは「【熱田神宮の七楠】境内を守り続ける御神木の姿」へ。

境内の別宮・摂社・末社を参拝順に知りたい方は「熱田神宮に祀られる別宮・摂社・末社」もどうぞ。


熱田神宮の境外摂社(氷上姉子神社など)の御祭神

熱田神宮の外にも、ゆかりの深い摂社があります。

社の名前御祭神ポイント
氷上姉子神社(ひかみあねごじんじゃ)宮簀媛命熱田にうつる前に、宮簀媛命が草薙剣をまつっていた地と伝わる
高座結御子神社(たかくらむすびみこじんじゃ)高倉下命(たかくらじのみこと)神武天皇に霊剣をとどけた神。尾張氏の祖ともされる
青衾神社(あおぶすまじんじゃ)天道日女命(あめのみちひめのみこと)天火明命の妃とされる女神
松姤社(まつごしゃ)宮簀媛命宮簀媛命ゆかりの社

それぞれの社のくわしい紹介は、次の記事へ。

社:「氷上姉子神社」「高座結御子神社」「青衾神社」「松姤社」

神様:「【神様図鑑】高倉下」「【神様図鑑】天道日女命」


よくある質問

Q. 熱田神宮の神様は日本武尊(ヤマトタケル)ではないの?

A. 熱田神宮の始まりの物語の中心は日本武尊ですが、主祭神は熱田大神(草薙神剣を御霊代とする天照大神)です。日本武尊は本殿にいっしょにまつられる相殿神の一柱です。

Q. 草薙神剣は見られるの?

A. 草薙神剣は御神体(ごしんたい)として奥深くにおさめられ、一般に公開されることはありません。

Q. 熱田神宮と伊勢神宮の関係は?

A. どちらも天照大神にかかわる神社です。伊勢神宮には八咫鏡、熱田神宮には草薙神剣がまつられています。熱田神宮は「伊勢神宮につぐ」尊い大社とされてきました。熱田神宮が数えられることのある「日本三大神宮」については「「日本三大神宮」ってどこなの?」で解説しています。

Q. 熱田神宮の御神木は?

A. 境内の大楠(おおくす)です。弘法大師のお手植えと伝わり、樹齢は約1000年ともいわれます。くわしくは「【熱田神宮の七楠】」へ。

Q. 御朱印はいただける?

A. いただけます。授与の場所や種類は変わることがあるので、現地で確認してください。くわしくは「熱田神宮でいただける御朱印5社を徹底紹介」へ。


まとめ

熱田神宮の主祭神は、草薙神剣を御霊代とする天照大神=熱田大神です。本殿には、剣の物語にかかわる五柱の相殿神がいっしょにまつられています。境内外の摂社・末社には、尾張氏の祖神や東征の武将たちが鎮まっています。

お参りのときは本宮だけでなく、八剣宮や一之御前神社、上知我麻神社などの摂社にも足をのばしてみてください。草薙神剣をめぐる神話と、尾張の古代豪族の歴史がひとつにつながって見えてくるはずです。神社そのものの見どころやアクセスは「【神社めぐり】熱田神宮-徹底解説」「熱田神宮への行き方・アクセス完全ガイド」をどうぞ。

参考:Wikipedia「熱田神宮」(『熱田神宮略記』などを引用)「氷上姉子神社」「高座結御子神社」、ご利益・大楠は観光案内(まっぷる・ことりっぷ等)の紹介による

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