【基礎知識】なぜ「二礼二拍手一礼」?神社参拝の正しい作法とその意味を解説!

はじめに

神社を参拝する際、多くの方が当たり前のように行っている「二礼二拍手一礼」。
でも、「なぜ二回おじぎをして、二回手を打って、最後にもう一度おじぎをするの?」と思ったことはありませんか?

この一連の動作には、神道の精神や日本人の信仰心が深く込められています
この記事では、「二礼二拍手一礼」の意味や起源、正しいやり方をわかりやすく解説します。


1.「二礼二拍手一礼」とは?

「二礼二拍手一礼(にれい・にはくしゅ・いちれい)」とは、神社で参拝を行う際の基本的な作法です。
全国のほとんどの神社で、この作法が正式な参拝方法として定着しています。

項目内容
二礼深く2回お辞儀をする
二拍手両手を合わせて2回打つ
一礼最後に深く1回お辞儀をする

この所作一つひとつに、神様への敬意と誠意が込められています。


2.なぜ「二礼二拍手一礼」なのか?それぞれの意味と由来

❖ ① 二礼(にれい)

神様への敬意・感謝を表すお辞儀

最初の「二礼」は、参拝の基本中の基本。
神様の前に立つにふさわしい姿勢を示し、「敬意」「感謝」の気持ちを込めて深くお辞儀をします。

**2回するのは、最初が“神様に会うための礼”、2回目が“神様に感謝・祈願の礼”**という意味があるといわれています。


❖ ② 二拍手(にはくしゅ)

神様との対話・誠意を伝える手拍子

両手を胸の前で合わせ、2回手を打つ「拍手(かしわで)」には次のような意味があります:

  • 神様を称える音(=神様を呼ぶ・歓迎する)
  • 自分の存在を知らせる合図
  • 心を清め、祈りを届けるリズム

神道では「音」には霊力があるとされており、拍手の音が神様との境界を開く力を持つと考えられています。

なぜ2回かというと、「一拍手」は神様だけ、「一拍手」は自分。神と人との調和・つながりを象徴するともいわれます。


❖ ③ 一礼(いちれい)

祈願を終えた後の感謝・締めくくり

最後の「一礼」は、神様への祈りを終えた後に感謝を込めて行います。
最初の礼とは違い、「今から去ります」「ありがとうございました」という意識をもって丁寧に行いましょう。


3.正しい「二礼二拍手一礼」の手順

  1. 拝殿の前に立つ(お賽銭を入れる)
  2. 姿勢を正す
  3. 90度の深いお辞儀を2回(二礼)
  4. 胸の高さで両手を合わせ、2回拍手(二拍手)
  5. このときに、心の中で祈願や感謝の気持ちを伝える
  6. 最後にもう一度、深く1回お辞儀(一礼)

※ 神社によっては多少異なる作法がある場合もあるため、案内がある場合はそれに従いましょう。


4.「二礼二拍手一礼」はいつから始まった?

この作法が全国に広まったのは明治時代以降といわれています。
明治政府による国家神道の整備の中で、「参拝作法の統一」が推奨され、「二礼二拍手一礼」が標準化されました。

ただし、その起源はもっと古く、古代の神道儀式や祝詞(のりと)を唱える際の所作から派生したものです。
自然崇拝や祖霊信仰がベースとなった神道では、動作一つひとつが神様との「礼儀」とされていました。


5.こんなときどうする?「参拝マナーQ&A」

Q1. 拍手の音が小さいとダメ?
→ 大きさよりも心を込めることが大切。静かな場所では控えめにしても構いません。

Q2. 手の位置や合わせ方に決まりはある?
→ 胸の前(心臓の高さ)で、右手を少し引いてから合わせるのが正式な形。
※ 右手を少し下げることで「人」と「神」の違いを表すという説もあります。

Q3. 家族や子どもと一緒のときも同じ?
→ 基本は同じですが、小さなお子様と一緒の時は無理せず気持ちを大切に。親子で手を合わせるだけでも充分です。


6.まとめ|「二礼二拍手一礼」は神様との“礼のかたち”

神社の参拝作法である「二礼二拍手一礼」は、
単なる形式ではなく、神様への敬意・誠意・祈りを形にした大切な儀式です。

丁寧に一つひとつの動作を行うことで、心が整い、神様とのつながりもより深く感じられるはず。

次に神社を訪れた際には、この所作の意味を意識しながら参拝してみてください。
あなたの願いが、より真っ直ぐに神様へと届くことでしょう。

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