日本神話の中で最も尊く、最も広く信仰されている神様――
それが「天照大神(あまてらすおおみかみ)」です。
太陽を司る女神として、皇室の祖神(そしん)とされ、全国各地の神社で祀られている、まさに「日本の神様の象徴」といえる存在です。
今回は、神話におけるエピソードから、天照大神のご利益、ゆかりの神社までを総まとめでご紹介します。
◆ 天照大神とは?
項目 | 内容 |
---|---|
お名前 | 天照大神(あまてらすおおみかみ)/天照大御神とも表記 |
系譜 | イザナギ命が禊をした際に左目から生まれた女神(アマテラスはスサノオの姉) |
ご神徳 | 太陽・光明・国家安寧・五穀豊穣・皇室の守護 |
性格 | 慎み深く聡明、しかし時に感情豊かで人間味もある神様 |
◆ 有名な神話エピソード
◉ 岩戸隠れ(いわとがくれ)
弟・スサノオ命の乱暴に耐えかねた天照大神が、**天岩戸(あまのいわと)**に隠れてしまったことで、世界が闇に包まれ、災いが広がりました。
神々は困り果て、**天宇受売命(アメノウズメ)が踊って笑いを誘い、興味を持った天照大神が岩戸を少し開けた隙に、力持ちの天手力男神(アメノタヂカラオ)**が岩戸を引き開け、世界に再び光が戻りました。
この神話は、「太陽の復活」や「世界の再生」を象徴するものとされています。
◆ ご利益
天照大神は、太陽の女神として全ての生命に光を与える存在とされ、以下のようなご利益があります。
- 国家安泰・家内安全
- 光明・繁栄・浄化
- 五穀豊穣・商売繁盛
- 病気平癒・心の平穏
- 女性守護・芸能上達(岩戸神話にちなむ)
現代では「前向きな運気を呼ぶ神」「困難を乗り越える力をくれる神」としても広く信仰されています。
◆ どこでお祀りされているの?
◎ 伊勢神宮(内宮)
- 場所:三重県伊勢市
- 正式名:皇大神宮(こうたいじんぐう)
- 備考:日本全国の神社の総本宮とも言われる、日本神道の中心的存在
伊勢神宮は、天照大神を「皇祖神(こうそしん)」として祀る神社で、約2000年の歴史があります。
「一生に一度はお伊勢参り」と言われるほど、古くから人々の信仰を集めています。
◎ その他の有名な神社
神社名 | 所在地 | 特徴 |
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熱田神宮 | 愛知県名古屋市 | 三種の神器のひとつ「草薙剣」を祀る。主祭神は熱田大神=天照大神の魂を受け継ぐ神格。 |
戸隠神社(奥社) | 長野県 | 岩戸神話ゆかりの地として知られ、天手力男神と共に信仰される。 |
天岩戸神社 | 宮崎県高千穂町 | 岩戸隠れの舞台とされる神社。神話好きには必訪の聖地。 |
◆ 豆知識|「天皇の祖神」としての役割
天照大神は、神話において天孫降臨を通じて地上世界に皇統を授けたとされます。
その子孫が初代天皇・神武天皇であり、現在の天皇も天照大神の子孫とされる伝承が続いています。
そのため、天照大神は「皇祖神」として、日本国家の守護神とも位置づけられています。
◆ 天照大神を感じる日常的な祈り方
- 毎朝、太陽を見て「今日もありがとうございます」と唱える
- 感謝と敬意をもって、自分の心を清める
- 明るさや前向きさを心がけ、周囲に光を与える生き方を意識する
これは特別な儀式でなくても、**太陽神である天照大神に通じる“心の祈り”**です。
◆ まとめ|すべての命に光を与える、日本の太陽神
天照大神は、太陽の神であり、国家の守護神であり、私たち一人ひとりの心にもそっと寄り添う存在です。
その神話には、希望、再生、そして前に進む力が込められています。
神社を訪れる際は、ぜひ天照大神に思いを馳せ、
自分自身の「光」と向き合ってみてください。
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