**天目一箇神(あめのまひとつのかみ)は、
日本神話に登場する「鍛冶(かじ)」と「製鉄」を司る神様です。
その名の通り、“一つ目”**であることが特徴で、
古代の製鉄民や刀鍛冶たちにとっての守護神として篤く信仰されてきました。
鍛冶神としての性格から、武器・農具・工芸など“ものづくり”の神ともされ、
現代でも工業安全や職人守護を願う人々に崇敬されています。
◆ 基本情報|天目一箇神とは?
項目 | 内容 |
---|---|
神名 | 天目一箇神(あめのまひとつのかみ) |
別名 | 天目一神(あまのまひとつのかみ) |
神格 | 鍛冶神、製鉄神、職人の守護神 |
特徴 | 一つ目の神、火と鉄を操る力 |
◆ 神話における登場
『日本書紀』によると、天目一箇神は天照大神の命令によって
天の金山(あめのかなやま)を司る神として登場します。
特に天照大神が、岩戸隠れの神事で用いる武具を鍛えるために、
天目一箇神が派遣されたという記述があり、
神々の武器を鍛える「最高の鍛冶神」としての役割を担っています。
◆ 一つ目の姿に込められた意味
「一つ目」の神という特異な姿は、
古代の鍛冶師が片目で炉の中を見つめる姿から来たともいわれています。
また、片目を象徴とする存在は、
ギリシャ神話のキュクロプス(サイクロプス)にも類似しており、
世界共通で「鍛冶=一つ目の神」という神格イメージが見られます。
◆ ご神徳|火と鉄を操る職人の守り神
ご神徳 | 内容 |
---|---|
鍛冶・鋳物守護 | 刀鍛冶・金工・鋳物などの安全と繁栄 |
工業安全 | 火を使う職場や工場の安全祈願 |
技術上達 | 職人の技の向上を願う |
武器の神格 | 神話では神々の武器を作る重要な役割を担う |
◆ 天目一箇神を祀る主な神社
神社名 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|
石上神宮(いそのかみじんぐう) | 奈良県天理市 | 鍛冶・武器神としての性格を持つ神社 |
天目一神社 | 岐阜県関市 | 刀剣の町・関市にて職人信仰が強い |
金山彦神社 | 各地に分布 | 鍛冶信仰に関係し、金山毘古神・毘売神と共に祀られることもあり |
◆ 現代に生きる天目一箇神の信仰
現代では、ものづくりに関わる職人やエンジニア、
また工場関係者などが、
技術向上・安全祈願・火難除けのために天目一箇神を信仰しています。
また、刀剣文化のファンや、
火を扱うアーティストやクラフトマンの間でも
「一つ目の神」というミステリアスな神格が注目されています。
◆ まとめ|火と鉄を操る“職人の神様”
天目一箇神は、
「火と鉄」「創造と破壊」「職人と技術」など、
日本のものづくりの根源に関わる神です。
- 一つ目で鉄を見つめる鍛冶神
- 刀剣・農具・工業製品などの安全と技術向上を祈る
- 古代から現代まで続く“ものづくり信仰”の象徴
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