【神様図鑑】波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)|土を司る大地の神

**波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)は、
日本神話において「土」や「陶器(はに)」に関わる神様として知られています。
同時に祀られることの多い
波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)**とともに、
土器や埴輪(はにわ)、さらには大地の再生を象徴する存在でもあります。

「土から生まれ、土に還る」という命の循環を象徴する神として、
古代から農業や陶芸、葬送儀礼に関わる信仰の中に生き続けています。


◆ 基本情報|波邇夜須毘古神とは?

項目内容
神名波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)
別名埴安彦命(はにやすひこのみこと)とも表記
神格土の神、埴輪・陶器の神、再生の神
関連神波邇夜須毘売神(対となる女神)

◆ 神話での登場

波邇夜須毘古神は、『古事記』『日本書紀』において、
火の神・**火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)**の死をきっかけに生まれたと記されています。

これは、イザナミが火之迦具土神を産んで命を落とし、
その死体から新たに生まれた神々のひとつがこの波邇夜須毘古神です。

つまり、「死」から「土」を生み出し、
大地の力によって命を育みなおす存在=再生の神と解釈されています。


◆ ご神徳|大地・陶芸・農耕の守り神

ご神徳内容
土器・埴輪の守護古墳時代の土器文化に深く関与
陶芸技術の向上土を焼いて器を作る陶工や焼き物の守護神
農耕繁栄土地そのものの神格であり、豊作祈願に通じる
葬送儀礼土葬文化と関連し、死後の再生を祈る神とされることもあり

◆ 波邇夜須毘古神を祀る主な神社

波邇夜須毘古神は特定の有名神社に祀られている例は多くありませんが、
土に関する信仰を持つ地域や陶芸の盛んな土地で信仰されてきました。

神社名所在地特徴
埴山神社(はにやまじんじゃ)各地に点在(例:愛知県瀬戸市など)埴輪や土器の神、陶芸関係の信仰が篤い
波邇夜須神社滋賀県東近江市神名をそのまま冠し、土と生命の神を祀る

◆ 現代における信仰

現代では、以下のような分野での信仰が見られます。

  • 陶芸家や焼き物作家の守り神
  • 農家による土壌の豊穣祈願
  • 葬祭・供養文化における再生の象徴としての崇敬
  • クラフトや手仕事、アート活動の源としての霊性の象徴

◆ まとめ|“土から命を生む”再生と創造の神

波邇夜須毘古神は、ただの「土の神」ではなく、
命が還り、再び生まれ直す循環の力を体現する神です。

  • 陶器・埴輪・土器文化を守護
  • 農耕と大地の再生を祈る神格
  • 古代日本人の「土」と「命」への信仰の象徴

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