沖縄県は、かつて琉球王国として独自の宗教観(御嶽信仰など)を育んできましたが、同時に本土からの神社信仰も受け入れ、独特な形で融合発展しました。特に、琉球八社と呼ばれる王府公認の神社は、熊野三山系の神々を祀りながらも、地域の信仰と結びついています。
ここでは、沖縄県を代表する主要な神社を厳選してご紹介します。
神社名 | 主祭神 | 御由緒(簡記) |
波上宮 (なみのうえぐう) | 伊弉冊尊、速玉男尊、事解男尊 他 | 琉球八社の第一位に格付けられた琉球総鎮守。那覇港を望む断崖上に鎮座し、古くから**「なんみんさん」の愛称で親しまれてきました。ニライカナイ(海神の国)への海神信仰の聖地**であり、航海安全、国家安泰にご利益があります。 |
普天満宮 (ふてんまぐう) | 天照大御神、伊弉冉尊、速玉男尊 他 | 琉球八社の一つ。洞窟(普天満宮洞穴)があり、古来より琉球古神道の聖地として信仰されてきました。洞窟内には水神が祀られ、縁結び、安産、金運などにご利益があるとされます。 |
安里八幡宮 (あさと はちまんぐう) | 応神天皇、神功皇后、玉依姫命 | 琉球八社の一つ。尚徳王が喜界島遠征の戦勝を祈願し、凱旋後に建立したと伝わる神社で、八幡神を祀っています。武運長久、必勝、開運にご利益があります。 |
沖宮 (おきのぐう) | 天照大御神、天龍大御神、天久臣乙女王御神 他 | 琉球八社の一つで、那覇港の入口、**奥武山(おうのやま)**に鎮座。当初は波上宮と同じく海辺にありましたが、戦後に移転・再建されました。海上の守護神、福徳の神として信仰されています。 |
沖縄神社 (おきなわじんじゃ) | 舜天王、尚円王、尚敬王、尚泰王、源為朝 | 琉球王国の歴代国王や、琉球開闢の祖とされる源為朝などを祀る神社。旧県社。琉球王国の歴史と深く関わりを持つ神社です。 |
琉球の海神信仰と日本の神々
沖縄の神社、特に琉球八社の多くは、本土の熊野三山(伊弉冊尊、速玉男尊、事解男尊)を主祭神としながらも、地域の**御嶽(うたき)**信仰や海神信仰と結びつき、独自の発展を遂げてきました。波上宮が断崖の上に立つ姿や、普天満宮が洞窟を擁する構造は、その独特な信仰の形を象徴しています。
エキゾチックな琉球の風景の中に溶け込む神社を訪れ、本土とは異なる沖縄独自の神聖な空気に触れてみてはいかがでしょうか。
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