愛知県津島市に鎮座する【津島神社】は、古くから「疫病除けの神様」として全国に名を轟かせてきた格式高い神社です。
京都にある八坂神社と共に全国にある天王社の総本山で尾張五社の一つにも数えられています。
今回はこの津島神社について解説をしていきます。
主祭神:建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)※別名 牛頭天王(ごづてんのう)
相殿神:大穴牟遅命(おおなむちのみこと) ※別名 大国主命(おおくにぬしのみこと)
社格 :正一位上、国幣小社、別表神社
創建 :欽明天皇元年(540年)
本殿 :尾張造
御祭神
主祭神
津島神社の起源は古代にまでさかのぼり、京都・八坂神社と並ぶ「牛頭天王信仰(ゴヅテンノウシンコウ)」の二大聖地とされています。
全国にある津島神社や天王社の総本山とされており、牛頭天王を祀り、東海地方を中心に牛頭信仰として広がっていきました。
神仏習合から牛頭天皇は素戔嗚尊(スサノオノミコト)と同一視され、津島神社の境内には素戔嗚社も摂社として祀られれています。
元は西国対馬から素戔嗚尊が居森の地に御来臨されたことに始まり、この地で祀られるようになったとされています。
今回は、津島神社の由緒やご利益、見どころ、そして毎年大きな盛り上がりを見せる「天王祭」について詳しくご紹介します。
津島神社とは?
- 主祭神:建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
※中世以降は「牛頭天王(ごずてんのう)」と習合され信仰されてきました。 - ご利益:厄除け・疫病除け・無病息災・病気平癒・災難除け
津島神社の特徴
津島神社は素戔嗚尊(牛頭天皇)を主祭神とし、疫病避けとして信仰を集めていますが、津島神社の最も特徴的なところは、素戔嗚尊の直霊(なおい)を四つの御霊
- 荒魂(あらみたま) 勇猛進取な働き
- 和魂(にぎみたま) 平安柔和な働き
- 奇御霊(くしみたま) 不思議な働き
- 幸御霊(さきみたま) 幸せな働き
に分けそれぞれを社に祀っているところです。
全国でも御霊を4つに分けて祀っているところは少ないそうです。
歴史と由緒
津島神社の創建は不詳とされるほど古く、古代にはすでに尾張国の有力な神社のひとつとして記録されていました。
中世以降、「牛頭天王」の神格と習合され、「疫病除けの神」として全国に名を馳せるようになります。江戸時代には「津島信仰」として全国に約3,000社もの分霊社が広まり、「津島さま」と親しまれる存在となりました。
境内の見どころ
◆ 鳥居と神門
重厚な石造の大鳥居をくぐると、静謐な空気に包まれた境内が広がります。朱塗りの神門や本殿は、江戸時代に再建されたもので、歴史の重みと美しさを感じさせます。
◆ 本殿
現在の本殿は江戸初期の再建で、重要文化財にも指定されています。流造の優雅な佇まいとともに、須佐之男命の力強さを象徴しています。
◆ 摂末社
津島神社には、境内摂社6社、境内末社30社、境外摂社6社の合計42社があり、境内、境外を含め数多くの社が祀られています。
津島神社の摂社、末社については別の記事でまとめていますので、そちらもご覧ください。
津島天王祭(つしまてんのうさい)
津島神社といえば、毎年7月に行われる津島天王祭は外せません。
- 開催時期:毎年7月第4土曜日の夜を中心に開催
- 特徴:五艘の「まきわら船」に無数の提灯を灯し、天王川をゆったりと進む光景はまさに幻想的。
日本三大川祭りの一つにも数えられるほどの格式と美しさを誇ります。
この祭りは「疫病退散」の願いを込めたもので、須佐之男命(牛頭天王)に捧げる伝統行事として、数百年の歴史を持ちます。
アクセス情報
- 住所:愛知県津島市神明町1
- アクセス:
- 名鉄「津島駅」から徒歩約10分
- 名古屋駅から津島駅まで直通で約25分
- 駐車場:境内周辺に専用・提携駐車場あり(天王祭期間中は規制あり)
まとめ
津島神社は、疫病退散や厄除けを祈願するならぜひ訪れたい由緒正しい神社です。境内の落ち着いた雰囲気と、歴史を感じさせる建築美。そして、夏の夜を彩る天王祭の幻想的な世界。
「健康祈願」「無病息災」「災厄除け」など、日々の安心を願う気持ちを込めて、ぜひ一度、足を運んでみてください。
あわせて巡りたい
- 津島神社東門前商店街:昔ながらの風情を感じられる商店街。名物「津島うどん」もおすすめ。
- 天王川公園:四季折々の自然が楽しめる公園で、特に藤棚が美しいことで有名です。

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