【神様図鑑】生島神・足島神（いくしまのかみ・たるしまのかみ）

日本神話において、国の中心と根幹を支える重要な存在として登場する二柱の神――
それが 「生島神（いくしまのかみ）」 と 「足島神（たるしまのかみ）」 です。

あまり広く知られていない神様かもしれませんが、
この二柱の神は「日本国そのものを守る根本の神」とされ、古代から特別な崇敬を受けてきました。

この記事では、その由緒やご神徳、信仰の中心地である「生島足島神社」についてもご紹介します。

◆ 生島神・足島神とは？

神名	読み方	意味・役割
生島神	いくしまのかみ	国に“生命”を満たす神、命の根源をつかさどる存在
足島神	たるしまのかみ	国に“充足”を与える神、物事の完成・充実を象徴

『日本書紀』において、天孫降臨の際に天照大神が派遣した神々が、まずこの二柱の神に国土の守護を託したとされています。
「この国を生島・足島に任せる」と記されるほど、国家運営の根幹に関わる存在です。

とくに、国家レベルの祭祀では「国魂（くにたま）」に近い存在とされ、
人々の暮らしと国家の安定の両方を支える神格として信仰されてきました。

この神社は、**古代より国土の中心＝「神道の中心」**とされ、
時の天皇が「国家の守護を祈る重要な神社」として遥拝した記録もあります。

境内中央には池があり、その中に浮かぶ「神体島」には人が立ち入ることが許されず、
神聖な“国の魂”が鎮まる場として大切に守られています。

「生（いく）」は生命を生む・育てるという意味、
「足（たる）」は物事が十分に満たされるという意味。

つまりこの二柱の神は、

「生命と富を満たし、国家・社会・人々を豊かにする存在」

として対になって祀られることが多いのです。

生島神・足島神は、政治・農業・生活すべての根本に関わる存在として、
古代よりひっそりと、しかし力強く祀られてきた神です。

現代においても、

など、足元から物事を整えたい場面で、ぜひお参りしたい神様です。