【神様図鑑】火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)|火の神にして破壊と再生の象徴

火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)は、
日本神話に登場する強大な「火の神」です。
その誕生によって母であるイザナミ命
が命を落とすという壮絶な神話を持ち、
火の持つ「創造と破壊」「恵みと災い」の両面を象徴する存在として知られています。

鍛冶・調理・浄化・神聖なる火を司るこの神は、
古代から現代まで、火を扱う多くの職人や人々にとって大切な守護神とされてきました。


◆ 基本情報|火之迦具土神とは?

項目内容
神名火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
別名火之夜芸速男神(ひのやぎはやをのかみ)、軻遇突智神(かぐつちのかみ)など
神格火の神、鍛冶の神、浄化の神、破壊と再生の象徴
親神父:イザナギ命 母:イザナミ命

◆ 神話での役割と誕生の悲劇

『古事記』『日本書紀』によると、
イザナミ命が火之迦具土神を出産した際、火傷を負って命を落としてしまいます。
その怒りと悲しみによって、父イザナギ命はカグツチを剣で斬り殺します。

しかし、その流れ出た血や身体の一部から多くの神々が誕生します。

この神話は、火が一方で破壊や死をもたらす存在でありながら、
他方で新しい命や力を生み出す源でもあることを象徴しています。


◆ ご神徳|火と鍛冶、浄化と再生の神

ご神徳内容
火難除け・防火火を司る神として、火災除けや火の安全を祈願
鍛冶・製鉄の守護鍛冶屋や金属加工に関わる職人の守護神
浄化と再生火による浄化作用を象徴、禊や祓いにも関連
調理・台所の守護家庭の火(かまど・台所)の神としての信仰もある

◆ 火之迦具土神を祀る主な神社

神社名所在地特徴
愛宕神社(あたごじんじゃ)京都府京都市など全国各地火之迦具土神を主祭神とする火防の神社
秋葉神社(あきばじんじゃ)静岡県浜松市・愛知県名古屋市ほか火難除けで有名。火之迦具土神と習合した火の神を祀る
伊勢神宮・外宮 別宮 風宮三重県伊勢市火と風の神を共に祀る場所

◆ 現代における信仰

  • **火を扱う仕事(料理人・鍛冶職人・陶芸家など)**の守護神
  • 火災予防・台所の安全を祈願する家庭の神
  • 再生・浄化・変化のシンボルとしてスピリチュアルな面でも注目

火の持つ「浄化の力」は、現代でも禊(みそぎ)や神道儀式において重要であり、
火之迦具土神は“生まれ変わり”や“新たな始まり”の象徴としても崇敬されています。


◆ まとめ|火の本質を象徴する原初の神

火之迦具土神は、
その誕生に悲劇を宿しながらも、
生命の再生や力の源としての“火”の本質を表す神様です。

  • 火の恵みと恐ろしさを併せ持つ存在
  • 鍛冶・調理・火防など、暮らしと密接に関係
  • 浄化と再生の象徴として、今なお篤く信仰されている

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