【世界遺産】【神社めぐり】厳島神社|海に浮かぶ神殿、千年の祈り【広島県廿日市市】

朱塗りの大鳥居が潮の満ち引きに合わせて海に浮かぶ――
日本三景「安芸の宮島」の象徴にして、世界文化遺産にも登録された名社、厳島神社(いつくしまじんじゃ)
1996年には世界文化遺産に登録され、日本を代表する神社の一つです。

今回は世界遺産の厳島神社をあますことなくご紹介していきます。


■厳島神社とは?|「神が鎮まる島」に建てられた海上神殿

厳島は神の島とも呼ばれ、島全体が神域とされています。

項目内容
神社名厳島神社(いつくしまじんじゃ)
所在地広島県廿日市市宮島町1-1
創建推古天皇元年(593年)と伝わる
主祭神市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命(宗像三女神)
世界遺産登録1996年「厳島神社」として文化遺産登録
ご利益海上守護、交通安全、商売繁盛、芸能・財運など
社格式内社、官幣中社、現在は別表神社

宗像三女神は福岡の宗像大社で祀られる神様で、ここ厳島神社の御祭神でもあります。
ちなみに福岡の宗像大社も神宿る島として世界遺産登録されていることから、宗像三女神は福岡と広島の二か所で世界遺産登録されていることになります。


■ご祭神一覧表

社殿種別社名ご祭神ご利益・役割
本殿厳島神社市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
田心姫命(たごりひめのみこと)
湍津姫命(たぎつひめのみこと)
航海安全・財運・芸能上達・国家安泰
摂社天神社、多賀社ほか少彦名命、大己貴命、伊邪那岐命など医薬、長寿、縁結びなど多岐にわたる
末社大願寺隣接の弁財天社弁財天(市杵島姫命と習合)金運・芸能・水の神

■なぜ世界遺産?|文化遺産としての価値

1996年にユネスコ世界文化遺産に登録された理由は、次のような点にあります:

  • 自然と共存する神社建築の傑作
     → 潮の干満で姿を変える海上建築。自然そのものを神とする日本の精神文化を体現。
  • 平清盛による信仰と保護
     → 平安時代後期、平清盛が厳島神社を篤く信仰し、壮麗な寝殿造様式で整備。文化的にも政治的にも重要な神社となる。
  • 歴史・美術・信仰が融合した聖地
     → 国宝・重要文化財が多数。祭礼や舞楽など伝統行事も連綿と続く。

■見どころガイド|写真映え・歴史・自然が融合

◎大鳥居(国重要文化財)

  • 幅約10m、高さ約16m。海に立つ圧巻の姿。
  • 満潮時には海に浮かび、干潮時には歩いて近づけます。

 満潮時には鳥居をくぐる「ろかい舟」という船が出ており、船で鳥居をくぐるという普段とは違った海からの参拝の方法もこの厳島神社でしかできない体験です。

※干潮時は「ろかい舟」での参拝ができないことから、満潮時間を確認して参拝の予定を組むのがおすすめです。

◎回廊と社殿(国宝)

  • 朱塗りの回廊は長さ275m。潮風と光を浴びて荘厳な雰囲気。
  • 橋で結ばれた社殿群は、まるで海上の宮殿。

◎能舞台(国重要文化財)

  • 舞楽や雅楽が奉納される唯一の海上能舞台
  • 宵の舞楽公演は幻想的。

◎弥山(みせん)と御山神社

  • 宮島の背後にそびえる霊山。山頂からは瀬戸内海が一望。
  • 空海(弘法大師)ゆかりの修験道場でもあり、神仏習合の跡が残る。

■アクセス情報

項目内容
最寄駅JR「宮島口駅」または広電「広電宮島口駅」
フェリー宮島口→宮島フェリーで約10分(JRまたは松大)
徒歩フェリー乗り場から厳島神社まで徒歩約10分
駐車場宮島口周辺に有料駐車場多数(島内は原則車乗入不可)

■祭礼・イベント

  • 桃花祭(4月15日):春を告げる例祭。神楽・舞楽の奉納あり。
  • 管絃祭(旧暦6月17日):海を渡る幻想的な行列船の神事。
  • 平家納経の特別公開(不定期):国宝の一大文化遺産。

■まとめ|神宿る海の神社で、千年の祈りにふれる

厳島神社は、単なる観光地ではありません。
潮の香り、朱の光、波に揺れる大鳥居――
そのすべてが「自然と人と神が共にある」ことを伝えてくれます。

信仰と芸術、政治と自然が交差するこの場所で、
あなたもぜひ一度、千年の祈りの風景に身を委ねてみてください。

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