
熱田神宮の広大な境内には数多くの摂社・末社があります。その中でも南門のすぐそばに並んで鎮座しているのが「上知我麻神社」です。
**上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)**は、尾張地方の古代豪族・尾張氏の祖神を祀る由緒ある社であり、商売繁盛や家内安全の守護神として広く信仰されています。
今回は、この上知我麻神社の御祭神や歴史、参拝のご利益などを詳しくご紹介します。
上知我麻神社とは
上知我麻神社は、熱田神宮の境内西側、西門を入ってすぐ左手に鎮座しています。すぐ隣には対をなす「下知我麻神社」があり、両社は一対の摂社として古くから信仰を集めてきました。
この神社の大きな特徴は、熱田神宮の御祭神・草薙神剣をこの地に祀った尾張氏の祖神を祀っていることです。
御祭神
- 乎止與命(おとよのみこと)
乎止與命は、尾張氏の遠祖であり、古代にこの地を開いた人物と伝えられています。
日本武尊が東征の折、尾張氏の娘・宮簀媛命(みやずひめのみこと)を妃とし、草薙神剣を尾張氏に託しました。その子孫である尾張氏は代々この剣を守り伝え、熱田神宮の創建に深く関わっています。
つまり、上知我麻神社は「熱田神宮を創祀した氏族の祖神を祀る社」として、特別な位置づけを持つのです。
ご利益
上知我麻神社は、商売繁盛・家内安全の神様として厚い信仰を集めています。
- 尾張氏がこの地を拓き、繁栄させたことから「開拓・繁栄の神」として崇敬されるようになった
- 地元商人や職人からは「商売の守り神」として親しまれてきた
現在でも、地元の商売人や会社経営者が熱心に参拝し、また家内安全や事業の繁栄を祈願する人々が後を絶ちません。
上知我麻神社の見どころ
- 南門に並ぶ社
上知我麻神社が参拝者を迎えるかのような佇まいです。 - 尾張氏の歴史を偲ぶ社
熱田神宮の創建に関わった一族を祀ることから、歴史好きにとっては必見のスポットです。 - 初えびすで賑わう社
毎年1月5日には「初えびす」が盛大に行われ、多くの参拝者で賑わいます。商売繁盛を願う人々にとって大切な行事です。
摂社
大国主社


事代主社


まとめ
上知我麻神社は、熱田神宮の創祀に関わった尾張氏の祖神を祀る、由緒ある摂社です。
「商売繁盛」「家内安全」の御神徳は今も厚く信仰され、特に新年の「初えびす」では地元の人々や商売人で大変賑わいます。
熱田神宮を訪れる際は、ぜひ西門から入り、この上知我麻神社に手を合わせてみてください。熱田神宮と尾張の歴史の深いつながりを感じられることでしょう。
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